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アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

2018年 3月 29日更新

第33回 : アーティストとして、O-1ビザで渡米するには?

Q

現在私は、日本で彫刻家として活動をしています。今度、アメリカ国内で彫刻展示会のオファーが入っているのですが、渡米をするためにビザが必要でしょうか?

A

一般的に、アメリカで彫刻家として活動を行うためには、O-1ビザが必要となります。O-1ビザは、科学、芸術、教育、事業、スポーツにおける卓越した能力の持ち主、または映画やテレビ製作において卓越した業績を上げた申請者が、アメリカ国内で特定のイベント等で業務を行うことが許可されるビザです。業務が無報酬のものであっても、O-1ビザは必要です。

長期の滞在を必要とするイベント(一般的な就労業務も含む)によっては、最長で3年間のビザが取得可能となります。その後、業務内容を継続するために、O-1ビザの有効期限を3年まで継続して延長申請をすることが可能です。

注意点としては、O-1ビザ申請者は、自らビザを申請することが禁止されていることです。O-1ビザを申請するには、アメリカの法人エージェントか雇用主(あるいは個人営業をしているエージェントか雇用主)との契約が必要となります。

このエージェントの必要条件は、以下のような事項が義務付けられています。

  1. IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)に雇用主として登録されていること。
  2. O-1ビザ申請者の滞在活動を、ある程度管理することを当該申請者と契約していること。
  3. O-1ビザ保持者の意思に反して契約が解除された場合は、当該ビザ保持者が無難なく帰国できるように航空チケットの購入などの約束をすること。
O-1ビザのカテゴリー

O-1ビザは2つのカテゴリーに分かれています。

O-1Aビザ:科学、教育、事業、スポーツにおける卓越した能力の持ち主として、活動を行うためにビザを取得する必要がある場合。

O-1Bビザ:通称アーティストビザと呼ばれ、芸術、または映画やテレビ製作活動を行うためにビザを取得する必要がある場合。

あなたの場合はこのO-1Bビザが適切です。アーティストとしてO-1Bビザを取得するには「当該業界の中でも卓越した能力を有すること」を証明する必要があります。このビザの取得には、アカデミー賞やグラミー賞、エミー賞などの権威のある賞の受賞かノミネートの経験、あるいはそれらに匹敵する賞を取得した経験がない限りは、次の5つのカテゴリーのうち、少なくとも3つを満たさなければなりません。

  1. 申請者が公に高評価を受けた作品で、主役、準主役的な役割を果たした(果たす予定がある)。
  2. 申請者個人の業績が、新聞や専門雑誌などで大々的に取り上げられた。
  3. 申請者が著名な団体や法人で主要な役割を担ったことが、新聞や専門雑誌などで大々的に取り上げられた。
  4. 申請者個人が大きな経済的業績を上げたことが、新聞や専門雑誌などで大々的に取り上げられた。
  5. 著名な団体、評論家、政府機関、専門家からの推薦状をもらった(各団体、評論家、政府機関、専門家が著名である事を証明する書類が必要)。
  6. 他同業者以上に高い収入を得ている。

あなたが彫刻家としてO-1Bビザを取得するためには、あなたが日本において(できればアメリカやその他の国でも)残した業績を示す物を、上記のリストに従って集める必要があります。あなたの業績を取り上げたことを示す新聞や専門雑誌の記事や、同業者や写真評論家など著名人からの推薦状を用意してもらう必要があります。その他に、(学生時代以外で)著名な賞などを受けていれば、それを証明する書類を準備する必要があります。

O-1Bビザ申請プロセス

O-1Bビザの申請はプロセスは、3段階に分かれます。まず、移民局に申請書を提出する前に、移民局公認の当該分野の専門団体からの審査を受け、O-1Bビザ資格者であることを認められる必要があります。この専門団体から申請の「許可」を取得した後、移民局に申請します。専門団体から認定を得てから、移民局の申請にかかる期間は、通常は4~6カ月となり、特急費用(1225ドル)を支払うと、約1カ月で在日米国領事でのビザ面接を受けることが可能になります。ビザ面接を無事通過すれば、2週間ほどでアメリカでの業務が開始できるでしょう。

O-1Bビザを取る上で、一番重要なのは、どれだけ知名度を証明することができるかですが、同時に個人ネットワークの質も問われることになります。個々で必要な情報や提出書類が異なりますので、移民弁護士とチームを組んで申請することをお勧めします。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。
今回のコラムニスト
Attorney大橋 幸生

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)を卒業後、アメリカ法学博士号(JD)を取得。アメリカ法全般における判例リサーチの経験をもとに、総合的な見地からの移民法のアドバイスを行う。

2018年 3月 29日更新

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年近くに渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

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