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アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

2018年10月 22日更新

第40回 : 市民と結婚して日本在住。アメリカでの永住権申請はリスク大?

Q

私は現在日本に住んでいますが、3年前に米国市民と結婚しました。近い将来アメリカに住むために、結婚を通してグリーンカードを取得することを検討しています。ただ、アメリカに入国して直ぐに申請をすると、詐欺とみなされグリーンカードが取得できないと聞きました。本当でしょうか?

A

あなたがアメリカに入国して直ぐにグリーンカード申請をしてしまうと、申請が却下される可能性があります。これは、あなたが入国の際、入国審査官に真実を偽って入国したと判断されるかもしれないからです。

例えば、エスタ(ESTA)申請をし、ビザ免除プログラム(VWP)を通してアメリカに入国する外国人、あるいは非移民ビザ保持者は、入国審査官に米国に永住する意志がないことを証明しなければなりません。ほとんどの場合は、入国目的を伝えるのみで充分ですが、アメリカ滞在中は伝えた入国目的に徹する必要があります。

“How long are you planning to stay in the United States?”(アメリカでの滞在日数は何日間ですか?)

“What is the purpose of your visit?”(滞在目的は何ですか?)

この質問に対し「3週間の観光目的」と答えた上で、次の日にグリーンカード申請をすれば、入国審査官に対して真実を偽ったと見なされる可能性があります。しかし、入国後に予定が変わることは移民法上認められています。肝心なのは、いつ予定が変わったかという点です。

ビザ免除プログラムを通して観光目的で入国した外国人が、グリーンカード申請をした場合、アメリカ入国時に真実を偽ったかどうかの判断の目安として例に挙げられるのが、アメリカ国務省による外交官マニュアルに昨年9月まで記載されていた「30/60日ルール」です。

このルールによると、アメリカ入国30日以内に入国審査官に説明した入国目的に反した移民申請を行うと、真実を偽ったとみなされます。入国目的に反した移民申請の他にも、不法労働や他の移民ステータスへの切り替えも、真実を偽ったとみなされる例として挙げられます。

30日から60日の間に行った移民申請は、真実を偽った可能性を疑われ、60日経った後の移民申請は、真実を偽った可能性があっても明確な理由がない限り審査対象ではないとマニュアルには記載されていました。入国審査官に真実を偽ったことが移民法廷で立証されると、国外退去を強制され、永久的にアメリカへの入国が禁止されます。

このルールは、外交官マニュアル上のものなので、必ずしも60日後の移民申請が安全という保証はなかったのですが、目安として知られている規則です。

しかし、昨年の9月1日より、今までの「30/60ルール」が外交官マニュアルから取り消され、「90日ルール」が適用されることになりました。このルールによると、入国から90日以内に入国目的に反した行動を取ることや移民申請をした場合は、在日大使館の面接官は申請者が入国審査官に真実を偽ったと判断します。ビザ申請者には反論の余地を与られていますが、面接がある場合は、厳しいものになる可能性が高くなります。

規制が変わった今、特にアメリカ入国後のグリーンカード申請のタイミングには注意を払う必要があります。外交官マニュアルに変更があったことに関しては、異なる政府機関である米国移民局はこのポリシーに従う予定はないと発表してます。しかし「90日ルール」が適用された今、移民法において非移民目的で入国する方々を厳しく取り締まることがアメリカ政府の意向だという点は間違いないでしょう。

日本に滞在しながらグリーンカード申請を考えているあなたは、6カ月から1年ほどの申請期間がかかるというデメリットもあるものの、アメリカ国内でグリーンカード申請をせず、在日米国大使館で移民ビザを取得して入国することをお勧めします。もし、どうしてもアメリカに入国してから申請を試みる場合は、移民法弁護士と事前に相談することを強くお勧めします。入国時に特に何も聞かれなければ、比較的問題なく国内で永住権申請が可能になります。入国審査官に何を聞かれて、どう答えたかが重要です。

これまで以上に、細部にまで注意を払い、慎重に事を運ぶのが、トランプ政権の下でのグリーンカード申請の基本となります。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。
今回のコラムニスト
Attorney大橋 幸生

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)を卒業後、アメリカ法学博士号(JD)を取得。アメリカ法全般における判例リサーチの経験をもとに、総合的な見地からの移民法のアドバイスを行う。

2018年10月 22日更新

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年近くに渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

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