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アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

2018年 2月 1日更新

第31回 : 投資家用 最新ビザ・カテゴリーについて

Q

投資家用の新しいビザ・カテゴリーが発表されたと聞きました。これはどういうものでしょうか?

A

2017年の12月14日より、米国移民局(USCIS)は、オバマ政権の下で考案されたInternational Entrepreneur Rule(国際起業家ルール)の導入を発表しました。IERと称されたこのルールですが、正確には新しいビザ種類ではなく、一定の条件を満たしたアメリカのスタートアップ企業による3名までの従業員の就労許可を含む出入国許可(パロール)の申請方法のことを指します。本来は、2017年7月17日に導入される予定でしたが、訴訟などで、正式な導入が当初の予定より5カ月も遅れたことになります。

アメリカ人かグリーンカード保持者の投資家「Qualified Investor」が、対象スタートアップ企業をサポートしていることを前提としたIERパロールの取得条件は以下となります。

IERパロールの取得条件
起業家申請者が、アメリカの対象スタートアップ企業で、最低10%のオーナー権利を所有していること。
起業家申請者が、対象スタートアップ企業のオペレーションに関して、中枢的な役割を果たしていること。
起業家申請者が、対象スタートアップ企業の成長と成功に貢献できるほどの知識やスキル、ノウハウを所有していること。
対象スタートアップ企業が、過去5年内に設立されていること。
対象スタートアップ企業が、アメリカに公益をもたらす可能性があること。
例:当該ベンチャー企業からの投資がある、米国連邦や州政府のグラントを取得している、米国メディアに取り上げられている、知的財産権の所有やスタートアップ・アクセラレーターへの参加など。
過去18カ月以内に、対象スタートアップ企業がQualified Investor(以下、当該投資家)から、総額25万ドル以上の投資を資本金として受け取っているか、米国連邦や州政府から10万ドル以上のグラントを取得していること。
当該投資家とは、過去5年内に総額60万ドル以上の金額を、2つ以上のスタートアップ企業に投資をした上で

1. そのうち、2つのスタートアップ企業が、5名のアメリカ人かグリーンカード保持者(あるいは合法的な労働許可を取得した方)のフルタイムスタッフを雇用しているか

2. そのうち、2つのスタートアップ企業が年間総売上高50万ドル以上を、タックスリターン上報告し、さらに年間売上高成長率が20%以上

でなければなりません。
申請について

申請書類は、移民局フォームI-941となります。申請費用は1200ドル、これに指紋採集費用85ドルが加わり、合計1285ドルです。扶養家族は、移民局フォームI-131を通しての申請となり、申請費用は575ドルで、年齢が14歳から79歳の方は、指紋採集費用の85ドルを各自支払う必要があります。

フォームI-941が承認されれば、30カ月継続してスタートアップ企業での就労を許可されます。アメリカへ入国の際、日本国籍保有者の方は、在日米国大使館でボーディング・ファイルを取得する必要があり、こちらは移民局フォームI-131Aを通しての申請となります。申請費用は各自575ドルです。

IERパロールを通してのアメリカでの就労期間は更新が可能です。滞在期間を最高でさらに30カ月延長するためには、以下の3つの条件を満たしてなければなりません。

  1. 申請者がスタートアップ企業で、最低5%のオーナー権利を維持していること。
  2. 50万ドルの投資かグラントを受けていること。
  3. 最低5名のフルタイムスタッフを雇っていること、あるいは年間総売上高50万ドル以上をタックスリターン上で報告し、さらに年間売上高成長率が20%以上であること。

注意点としては、トランプ政権はIERパロール制度を取り消す意思があることを発表してます。数カ月後には、このIERパロール制度の取り消しが正式になる可能性もあるので、上記の条件に該当する方は、早急に弁護士に相談することをお勧めします。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。
今回のコラムニスト
Attorney大橋 幸生

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)を卒業後、アメリカ法学博士号(JD)を取得。アメリカ法全般における判例リサーチの経験をもとに、総合的な見地からの移民法のアドバイスを行う。

2018年 2月 1日更新

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年近くに渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

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