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瀧 恵之 瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation info@takilawoffice.com

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日本在住の家族を含めたグリーンカード申請は可能?

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「DV-2025 米国抽選永住権」受け付け開始!
Vol.113 : 
日本在住の家族を含めたグリーンカード申請は可能?

アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

Updated on 2023/12/ 12

Vol.102 : 芸能人は知名度がないと「グリーンカード」取得が難しい?

Q

私は日本で芸能活動を行っており、2年前にO-1ビザを取得して渡米しました。アメリカでの活動もある程度安定してきたので、長期滞在するためにグリーンカードの申請ができればと考えています。ただ、私の分野でグリーンカードを申請するには、相当有名でなければ取得するに至らないと聞きました。私はある程度のレベルの活躍はしているものの、ずば抜けて知名度があるわけではありません。私がグリーンカードを申請できる良い方法はあるでしょうか。

A

あなたが有名であることを理由としてグリーンカードを申請する場合は、「EB-1(第1優先)」と呼ばれるカテゴリーに属し、極めて厳しい審査基準を潜り抜ける必要があります。これは、芸能人、スポーツ選手、研究者など、著名人や高度な特殊技能者に対して与えられるもので、その判断基準としては、その分野においてトップ2%に属している高度な特殊技能者であることが条件です。言い換えると、あなたのアメリカでの存在が、アメリカの国にとって価値のある財産であることを立証する必要があります。

具体的には、以下の条件のうちの少なくとも3つを満たしている必要があります。

  1. 国際的に価値のある賞を受けたこと。
  2. その分野において功績を持つものにより構成される団体に属していること。 
  3. 申請者に関する内容が記された出版物があること。
  4. 申請者がその分野において他のものを審査したことがあること。
  5. 申請者が該当分野に多大な貢献を行ったこと。 
  6. 申請者が該当分野の学術的記事を執筆したことがあること。
  7. 申請者の作品が展示されたことがあること。
  8. 名声のある団体・組織等において重要な役割を担ったこと。
  9. 申請者が該当分野における他の人々と比べて高い報酬を得ていること。
  10. 申請者が芸術・芸能関係の分野に属する場合、その分野において高い人気・評判を得ていること。

もし、あなたが上記の条件を満たしていれば、申請において時間のかかる労働局での審査をスキップことができます。具体的には「I-140」の申請と「I-485」の申請を行うことになり、「I-140」はあなたの知名度に関する審査、そして「I-485」はグリーンカードそのものの審査で、アメリカ国内でグリーンカードの申請を行う場合は、ほとんど全てのカテゴリーに属する申請者が提出する書類です。EB-1の中でも、あなたの属するカテゴリーは、「Premium Processing」 の適用が可能で、通常の申請料金(700ドル)に加えて2500ドルを追加で支払えば、15日間で結果を得ることができます。

ただし、上述のように、この申請では極めて厳しい審査をパスしないといけないので、貴重な時間とコストを無駄にしてしまうリスクを負うことになります。ここで言えることは、必ずしもこの方法だけがグリーンカードを取得できる方法ではなく、通常の「EB-3」で申請を行うことができることです。「EB-3」の申請の場合には、労働局での審査を通過する必要がありますが、あなたの場合は、O-1のスポンサーとなっているアメリカのエージェント会社等と相談されるのが良いと思います。

「EB-3」のカテゴリーでの申請は、以下の5つのステップからなります。

  • 規定の給料の設定
  • 人材募集広告
  • Labor Certtificationの取得
  • 「I-140」「I-485」の審査

「EB-3」は「EB-1」のカテゴリーに比べて、最初の3つのステップが追加されることになり、今のところ、この3つのステップの申請に、およそ18カ月~2年を要しています。ただ、審査基準は、「EB-1」に比べてはるかに緩和されたものとなります。また、「EB-1」の場合には、資料を集めるのにかなりの時間と労力が必要であることも留意する必要があります。なお、4つ目のステップの「I-140」の審査において「Premium Processing」の適用は、「EB-3」のカテゴリーでも可能です。

「EB-1」のカテゴリーにおいてグリーンカードを取得することにチャレンジし、多くの時間と労力を費やした後、結果的にグリーンカードを取得できず、アメリカでの仕事と生活を断念せざるを得ない状況になった方々を数多く見てきました。ここで、「急がば回れ」ではないですが、視点を切り替え(有名になってからグリーンカードを申請するのではなく、グリーンカードを取得したのちに有名になる)、早期の間に、「EB-3」のカテゴリーでの申請を行いグリーンカードを取得すれば、どこでも就労が可能という安定した状態を作ることができます。これは、あなたの活躍の場をさらに広げることにつながり、あなたのアメリカでの成功の大きな手助けになると考えます。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Updated on 2023/12/ 12

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

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