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瀧 恵之 瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation info@takilawoffice.com

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アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

Actualizada en 2017/ 2/ 1

20 vez : 「第1優先」での永住権申請とは

Q

日本の親会社から、駐在員として、6年半前にアメリカ子会社に赴任してきました。当初は、すぐ帰任命令が出るものと思っていましたが、こちらでの勤務が予定外に長期に渡り、最近になって、あと3カ月で所持しているL-1ビザの有効期限が切れ、これ以上延長もできないことが分かりました。子供のことも考え、永住権の申請を考えたいのですが、今からでも間に合うでしょうか。

A

あなたが、第1優先でのグリーンカード申請の条件を満たしているのならば、まだ間に合う可能性が十分にあります。通常、永住権を申請する場合(Hビザ等から)には、まず労働局での審査過程を踏み、労働局からの認可(Labor Certification)を取得する必要があります。しかしこの申請方法では、現在移民局に申請ができるまでに9カ月から1年半ほどを要しています。雇用を通しての永住権の取得は、通常、第1優先、第2優先、第3優先、第4優先、第5優先と分けられ、一般的に用いられる方法は、第2優先、あるいは第3優先のカテゴリーに区分されます。

ところがあなたは、日本の会社での勤務経験があるため、一定の条件を満たせば、第1優先の多国籍企業の重役等のカテゴリーに含まれる可能性があります。この場合、労働局での審査を飛ばすことができます。ほかに第1優先の中には、極めて高度な技術や能力、知識を保持する者、著名な教授、そして研究者のカテゴリーがあります。

あなたの場合、以下の条件を満たしている事を証明すれば、第1優先における永住権の申請が可能です。

第1優先で永住権を申請するための条件
  1. 日本(海外)にある会社と、アメリカにある会社が親子関係にあること。これには、アメリカにある会社の50%以上の株式を、日本(海外)にある会社が直接的に所有している場合。またアメリカの50%以上の株主が、日本(海外)の会社の50%以上の株式を所有している場合も、親子関係にあるとみなされます。
  2. アメリカの会社で、部長あるいは重役クラス等の管理職に就いていること。移民局では、一般的に申請者の下に部下がいるということだけでは十分でなく、申請者の下に部下を持つ役職の者がいることが要求されます。つまり、会社の組織図において申請者の下に2段以上のピラミッド型の管理体系があることが必要ということです。第1優先の申請を行うには、申請者の下に、少なくとも合計で8人以上の部下がいた方が良いと言えます。
  3. LビザあるいはE ビザで、アメリカに入国する前の過去3年間のうち、少なくとも1年間以上、部長あるいは重役クラス等の管理職として日本(海外)にある親会社(子会社、系列会社でも良い)またはその関連会社において勤務していたこと。
  4. アメリカでの役職が短期のものではなく、永久的なものであること。これには、アメリカでの会社が、日本(海外)の親会社よりも、永住者を送らなければならないほどの規模であるとみなされなければならず、それには相当額の売り上げと、相当数の従業員の存在が要求されます。

これらの条件を満たしていれば、労働局を通すことなく、直接移民局に永住権の申請書を提出することができます。申請には、アメリカと日本(海外)にある会社の両方から、決算報告書、会社設立に関する書類等、会社が実際に存在し、経営を行っていることを示す書類が必要となります。万一、(特にアメリカの)会社の経営状態が芳しくなく(流動資産も乏しく)、従業員が少ない会社等は、上記の条件を満たしている場合でも、移民局から永住権の認可を受けることは困難です。

申請時期に関しては、アメリカにある会社が設立されて1年以上経過していれば、申請が可能で、申請者自身がアメリカで働いている必要もありません。また、永住権は、配偶者および21歳未満(永住権取得時期において)の子供も同時に取得することができます。

移民局への申請に関しては、Immgration Petition for Alien Worker (I-140)の申請書およびI-485の申請書を同時に移民局に提出します。この後、約2~3月で就労許可が下り、また一時渡航許可が下りるので、就労を継続できるだけでなく、海外への出入りも可能です。この方法で、およそ1年弱でグリーンカードを取得できることになります。

万が一、あなたが、上記の第1優先での申請のための条件を満たさない場合は、Eビザに切り替えた後、第2優先、あるいは第3優先でグリーンカードを申請する方法も考えられます。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Actualizada en 2017/ 2/ 1

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

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