CEO/Attorney
瀧 恵之 瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation info@takilawoffice.com

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アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

Actualizada en 2021/ 8/ 10

74 vez : Eビザからグリーンカード申請へ。どんな手続きが必要?

Q

私は現在、アメリカの日系企業で、Eビザ保持者として勤務しています。昨年、本社からの後任の駐在員との入れ替えが予定されていましたが、パンデミックのため延期になっていました。それに伴い、会社の意向で、私が長期に渡り今の役職を続けることになり、会社もグリーンカードの申請を許可してくれたので、早速申請を開始しようと思います。Eビザを保持していると永住権が速く取れると聞いたのですが、どのような手続きを踏めばよいのかを教えて下さい。

A

まず、多くの方が誤解しているのですが、Eビザ(あるいはLビザ)を持っているからといって永住権の申請手続きが速くなるわけではありません。問題は、あなたが最初に日本の本社で雇用され、その後駐在員として米国の会社で雇用されるようになったか、あるいは最初から米国の会社で採用されることになったのかです。

あなたが前者の場合であるならば、永住権の申請は速くできる可能性があります。これには申請者が、日本の親会社から派遣され就労ビザで最初に米国に入国した3年間のうち、少なくとも1年間は日本の親会社で管理職者として勤務していること、また、米国の子会社の株式の50%以上を日本の親会社が所有していること、さらに、米国の子会社が設立されて1年以上経過していることなどの条件があります。

この申請条件がLビザの条件と非常に似ているため、Lビザを持っていれば、あるいはEビザを持っていると永住権が早く取れるとの誤解を生じている原因になっています。この申請方法が可能な場合は、後述の申請方法のように労働局での審査を受ける必要がなく、比較的速く永住権を取得することができます(現在約1年半)。この申請方法において拒否されるか否かは、米国の会社の規模(従業員の総数や年商額など)や申請者の当該会社における重要度(申請者の監督する従業員の数や申請者の給与など)といった点などが主な審査対象となります。

一方、あなたが最初から米国で雇用された場合、あるいは最初に日本の本社で雇用されていても、例えば米国の会社の売上が低い、またはあなたの部下に位置づけられる人が少ない(通常、8~10名以上の部下を必要とします)場合は、上述の申請方法ではなく、労働局での審査過程を踏み労働局からの認可(Labor Certification)を取得する必要があります。

ここで、注意しなければならないのは、米国社の株主・役員などになっている場合は、前者のような申請をすることができても、この労働局を介した申請方法を行うことはできないということです。この申請方法の場合、一般的には、特殊技能を有する職業において、2年以上の経験があるか、あるいは学士号を有していることが条件になっています(この条件は、職種によって若干異なります)。例えば、調理人や美容師の場合は、専門学校や短大を卒業しているだけで条件を満たします。これは、専門学校や短大での2年間を職歴の2年間と同等に見なすという考え方です。ちなみに現在、手続きをスタートしてから労働局での認可を得るまでには、約14~24カ月を要しています(永住権を取得するまでは、さらにこの後約9カ月~2年を要しています)。

ただし、このデータは、あくまで現在結果が出ているもの、すなわちパンデミックの間に手続きが行われたケースを基にしています。従って、今後パンデミックの終息とともに、手続期間が短くなっていく可能性も充分にあります。この後者の申請方法においては、会社が充分に募集活動を行い、米国人労働者に対して雇用の機会を十分に与えたかどうかが重要な審査基準となります。労働局が当該申請対象となる役職に対してアメリカ人から充分な雇用が得られないと判断した場合は、Labor Certification が下り、ここで初めて移民局へ永住権の申請書を提出できます。移民局では、会社の審査(I-140)を終えた後、個人の審査が行われますが、この最後の段階で、面接をアメリカで受けるか、あるいは日本で受けるかを選択することになります。

上記の2つの申請方法のいずれの場合も、申請を開始してから永住権取得まで、会社は当該従業員に給与を支払えるだけの充分な経済力があることを立証しなければなりません(これがI-140の審査です)。これに関しては、まず、申請者が既に既定の給与額を受け取っているか、会社が当該規定給与額以上の利益を出しているか、あるいは上記の条件を備えていなくとも、会社にその給与額に見合うだけの流動資産があるかということが審査の対象とされます。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Actualizada en 2021/ 8/ 10

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

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