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瀧 恵之 瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation info@takilawoffice.com

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アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

Actualizada en 2024/ 9/ 3

111 vez : 老後を見据え日本に帰国。でも永住権も維持したい!

Q

私は、グリーンカード保持者です。若い頃アメリカに留学し、その後会社に勤めて30年間になりますが、今年で引退することになりました。今後は、医療サービスなども充実している日本に戻り生活したいと思っています。ただ、あまりにもアメリカでの生活が長いため、日本の生活になじめるかどうか不安です。ですので、万が一日本になじめない場合は、アメリカに戻って来ることができる選択肢も残しておきたいと考えています。アメリカを長期で離れるとグリーンカードを失うので「Re-entry Permit」を取得した方がよいという話を聞きますが、これについて詳しく教えてください。

A

基本的に、グリーンカードを保持するためには、以下の二つの条件があります。

  1. アメリカから連続で半年以上離れないこと。
  2. 過去5年間のうち、少なくとも合計で2年半以上アメリカに滞在していること。

まず、①に関しては、公式のサイトなどの資料によっては1年間と記載されているものもありますが、入国審査官の裁量で半年間を超えていればグリーンカードを取り上げられるリスクもありますので、半年で考えるのが安全だと考えます。

次に、②に関して注意しないといけないことは、基本的にはこのルールに沿っている場合でも、アメリカに再入国する際に、入国審査官の裁量で「注意を受ける」「罰金を支払わされる」、そして最悪の場合「グリーンカードが取り上げられている」ケースも見かけます。例えば、アメリカを175日離れ、その後アメリカに1週間戻り、その後アメリカを再度175日離れ、アメリカに1週間滞在することを4回繰り返したとします。この場合は、上記②のルールを破っていないことになりますが、入国審査官の裁量でグリーンカードを失うリスクがあるということです。従って、このような場合は、アメリカ国外での滞在日数が極端に多くならないように調整するか、それができない場合は、安全策を考えて「Re-entry Permit」 を申請しておくのが得策であると考えます。

「Re-entry Permit」は、「I-131」という申請書に、パスポート、グリーンカードの表裏のコピーを添えて、移民局に申請することができます。申請料は630ドルです。申請後、約1~2カ月で指紋採取の通知が来ます。指紋採取は、移民局にあなたの指紋のデータが保管されていれば免除される可能性もあります。「Re-entry Permit」が発行されるまでの手続き期間にはかなりばらつきがあり、数週間で発行される場合もあれば、1年を経過してもまだ発行されていないケースも珍しくありません。ただ、指紋採取を終えれば「Re-entry Permit」の発行を待つことなく、アメリカ国外に出ることが可能です。「Re-entry Permit」は、2年間有効ですが、この有効期限の2年間は、申請時ではなく発行日から2年になります。従って、移民局での審査に時間がかかればかかるほど、得をするという結果になります。

上記のタイムフレームを考慮した場合、あなたの場合は、日本に行く(指紋採取の期間を少し余裕をみて)3カ月ぐらい前に手続きを開始するのが得策だと言えます。「Re-entry Permit」は、有効期限が切れるまにアメリカに再入国すれば再申請が可能で、発行日からさらに2年間アメリカ国外に滞在できる期間が与えられることになります。もし、あなたが最初の「Re-entry Permit」の有効期限内に、日本に完全帰国するかどうかの判断がつかない場合は、延長申請を行うことにより、さらに(発行日から)2年間の猶予が与えられることになります。ここで、注意しないといけないことは「Re-entry Permit」の申請はアメリカ国内において行なわければならないことです。あなたが更新を行う場合は、最初の「Re-entry Permit」の際の指紋採取のデータが残されている可能性が極めて高いので、短期のアメリカ滞在で「Re-entry Permit」の更新ができることになります。

最後に追記ですが、グリーンカードは、上述した①、②のルールに反した時点で自動的に無効になるわけではありません。自ら放棄するか、あるいはアメリカに再入国する際に、入国審査官に取り上げられた場合にのみ無効となります。従って、アメリカ国外に長期で滞在してしまったような場合でも、いったんアメリカへの再入国さえできれば、その時点で「Re-entry Permit」の申請を行うことができることになります。従って、①、②のルールにすでに反してしまっている場合であっても、早期に対応すればするほどグリーンカードを守れる可能性は高くなります。

多くの時間と労力を費やしてグリーンカードを入手した方も少なくないと思います。上記を参考に貴重なグリーンカードを不用意に失ってしまわないように、慎重な国外滞在および申請のプランを立てることをお勧めします。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Actualizada en 2024/ 9/ 3

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

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