CEO/Attorney
瀧 恵之 瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation info@takilawoffice.com

最新コラム

第114回 : 
現在、永住権申請中。就労ビザの有効期限が切れてしまったらどうなるの?

バックナンバー

第1回 : 
日本企業向け:アメリカ進出時の就労ビザに関して
第2回 : 
E-1ビザ申請のための「貿易」の内容とその条件
第3回 : 
特殊技能者がグリーンカードを早く取得する方法
第4回 : 
【最新情報スペシャルコラム】 グリーンカード申請の待ち時間が大幅に短縮!
第5回 : 
特殊技能者ビザ(O-1)の条件に関して
第6回 : 
多種多様なJ-1ビザとその内容に関して
第7回 : 
グリーンカード取得までに子供が21歳を超えてしまったら
第8回 : 
アメリカに小会社を設立し、L-1ビザを短期で取得する方法
第9回 : 
投資家ビザ申請における知的財産に関して
第10回 : 
アメリカを長期で離れる場合のグリーンカード保持に関して
第11回 : 
アメリカに短期で頻繁に出入りする場合のビザに関して
第12回 : 
アメリカ市民権申請の条件と方法に関して
第13回 : 
学生のステータスで就労する方法に関して
第14回 : 
市民との結婚。グリーンカード申請国について
第15回 : 
日本に住む親をアメリカに呼び寄せる方法とは
第16回 : 
DV夫と別れても、グリーンカードの申請はできますか?
第17回 : 
飲酒運転で捕まってしまっても、ビザは取得できますか?
第18回 : 
アメリカに短期で頻繁に出入りする場合のビザに関して
第19回 : 
アメリカで研修。H-3ビザについて知りたい!
第20回 : 
「第1優先」での永住権申請とは
第21回 : 
グリーンカードスポンサーが亡くなってしまった! ~ケース1 条件付グリーンカードの場合~
第22回 : 
グリーンカードスポンサーが亡くなってしまった! ~ケース2 グリーンカード申請中の場合~
第23回 : 
グリーンカード申請中の出入国
第24回 : 
H-1B雇用主変更の手続き
第25回 : 
家族を通して申請永住権
第26回 : 
離婚してもグリーンカードの切り替えは可能?
第27回 : 
Lビザから配偶者スポンサーで永住権を取得するには?
第28回 : 
非移民ビザ新規則「グレース・ピリオド」について
第29回 : 
雇用ベース永住権申請の面接について
第30回 : 
永住権申請中の日本一時帰国について
第31回 : 
投資家用 最新ビザ・カテゴリーについて
第32回 : 
「H-1Bビザ」今年は4月2日から申請開始!
第33回 : 
アーティストとして、O-1ビザで渡米するには?
第34回 : 
アメリカでグリーンカード申請中。日本に一時帰国は可能?
第35回 : 
トランプ政権下で、学生ビザはどうなる?
第36回 : 
グリーンカード抽選に当選!手続きを教えてください。
第37回 : 
グリーンカード条件解除手続きは、離婚しても申請可能?
第38回 : 
ビザ申請却下=移民法廷に出頭?
第39回 : 
アメリカで起業家としてビザを取得するには?
第40回 : 
市民と結婚して日本在住。アメリカでの永住権申請はリスク大?
第41回 : 
グリーンカード申請時の健康診断って何?
第42回 : 
市民権申請中。日本支社に移動した場合の問題点は?
第43回 : 
LやHビザ保持者の運転免許更新について
第44回 : 
2019年から変わる!? H-1Bビザ申請について
第45回 : 
滞在資格の切り替え申請方法が変更に!
第46回 : 
DUIで逮捕された!E-1ビザはどうなるの?
第47回 : 
専攻科目によってOPT延長が可能?
第48回 : 
永住権申請中に一時帰国したい!アドバンス・パロールの申請最新事情
第49回 : 
E-1ビザ取得の厳しい現状。リスクを回避するためには?
第50回 : 
プラクティカルトレーニング後の労働ビザは?
第51回 : 
大学を出ていなくてもO-1ビザは取得できる?
第52回 : 
Lビザを持っているとグリーンカード取得が早いってホント?
第53回 : 
グリーンカードスポンサーの収入が基準を満たしていない場合はどうなるの?
第54回 : 
日米間の取引が激減。E-1ビザ更新にリスクはある?
第55回 : 
H-1B期限切れが近くても、グリーンカードに申請できる?
第56回 : 
配偶者のスポンサーは、永住権保持者VS市民のどちらがベスト?
第57回 : 
コロナウイルス対策による緊急措置。ビザの面接はどうなるの?
第58回 : 
新型コロナウイルスの影響で学費が払えない!卒業前に働く方法はあるの?
第59回 : 
新型コロナウイルス禍で、グリーンカード申請手続きがストップ?
第60回 : 
コロナ終息まで待つべき?グリーンカード申請とスポンサーについて
第61回 : 
グリーンカードおよび一部就労ビザの制限・入国停止について
第62回 : 
移民局からの追加書類請求で遅延発生!?コロナ禍での猶予期間はある?
第63回 : 
グリーンカードの新料金が上がる?10月より移民局申請料金改定!
第64回 : 
コロナ禍でのE-2ビザ更新。日本に帰国した方がよいの?
第65回 : 
ビザはあるけど、滞在許可証が期限切れ寸前。どうすればよいの?
第66回 : 
アメリカで念願のレストランをオープン!コロナ禍でのビザ申請や会社登録はどうなる?
第67回 : 
ビザ発給・入国停止命令延期!ビザ更新はどうなる?
第68回 : 
今年から、H-1Bビザの選択方法が「抽選」→「給与額優先」に変更!
第69回 : 
H-1Bビザ続報!給料額優先方法が延期に!従来の抽選申請は3月からスタート
第70回 : 
申請から半年。OPTのカードがまだ届かない!どうすればよいの?
第71回 : 
帰国せずにアメリカで転職手続きは可能?
第72回 : 
グリーンカードのスポンサーになるには?
第73回 : 
E-1保持者の更新。最新事情を教えて!
第74回 : 
Eビザからグリーンカード申請へ。どんな手続きが必要?
第75回 : 
永住権申請の健康診断。コロナワクチン接種は必要?
第76回 : 
「DV-2023米国抽選永住権」受け付け開始!
第77回 : 
日本滞在中に「Re-entry Permit」が切れてしまった!
第78回 : 
E-1配偶者ビザの就労許可更新中。許可を待たずに就労は可能?
第79回 : 
コロナ禍で会社が株式売却!L-1ビザは保持できるの?
第80回 : 
今年の「H-1Bビザ」申請について教えて!
第81回 : 
Lビザ失効寸前!他のビザや永住権申請は可能なの?
第82回 : 
日本勤務からアメリカに戻ってくるために永住権を取得できる?
第83回 : 
永住権取得中の海外出張。注意点や問題点は?
第84回 : 
グリーンカード申請中に退社。申請を続行することは可能?
第85回 : 
アメリカに子会社がない場合、どんなビザを取得すればよいの?
第86回 : 
コロナ禍で別居中の家族のためにグリーンカードを申請したい!
第87回 : 
アメリカ進出で駐在員を送りたい。どのような申請方法がある?
第88回 : 
「DV-2024 米国抽選永住権」受け付け開始!
第89回 : 
新しいグリーンカードが届かない! 日本一時帰国は可能?
第90回 : 
H-1B更新前にDUIで逮捕! どうすればいいの?
第91回 : 
コミカレ卒業後のグリーンカード取得要件とは?
第92回 : 
会社の売り上げと従業員数は「E-2ビザ」の更新に影響があるの?
第93回 : 
投資家ビザ取得を踏まえた「初期投資」について教えて!
第94回 : 
アメリカ滞在中に「ESTA」の期限が切れてしまったらどうする?
第95回 : 
グリーンカード申請中に労働許可取得。日本への一時帰国はできる?
第96回 : 
市民権取得のメリット・デメリットは?
第97回 : 
一社でサポートできるグリーンカードの申請数は?
第98回 : 
日本駐在のオファーあり。「Re-entry Permit」を申請した方がいいの?
第99回 : 
H-1B申請が難しい。他に就労ビザを取る方法はあるの?
第100回 : 
日本の従業員が「E-2ビザ」を早く取得できる方法はある?
第101回 : 
アメリカ進出を検討。最適な駐在ビザは?
第102回 : 
芸能人は知名度がないと「グリーンカード」取得が難しい?
第103回 : 
2025年に帰任の可能性。1年半でグリーンカード取得は可能か?
第104回 : 
2025年度枠「H-1B」ビザ中応募申請開始!
第105回 : 
日本から従業員を雇いたい。複数の「E-2」ビザを申請することはできる?
第106回 : 
「H-1B」ビザ所持者が、他の会社に移りたい場合はどうすればいいの?
第107回 : 
アメリカで起業したのに「E-2」ビザが却下された!どうすればいい?
第108回 : 
グリーンカード申請中でも合法的に就労できる方法はある?
第109回 : 
アメリカで店舗を構え居住するための手続きとは?①
第110回 : 
アメリカで店舗を構え居住するための手続きとは?②
第111回 : 
老後を見据え日本に帰国。でも永住権も維持したい!
第112回 : 
「DV-2025 米国抽選永住権」受け付け開始!
第113回 : 
日本在住の家族を含めたグリーンカード申請は可能?
第114回 : 
現在、永住権申請中。就労ビザの有効期限が切れてしまったらどうなるの?

アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

20年近くの経験を活かし、ビザ・グリーンカード申請に関する情報を事例をもとにQ&A形式でお答えします。

2024年 5月 1日更新

第107回 : アメリカで起業したのに「E-2」ビザが却下された!どうすればいい?

Q

私は何年も前から、アメリカでビジネスを行い家族も一緒に生活することを計画していました。コロナの影響で予定がかなり延びたのですが、今年になってから予定していた美容サロンのビジネスをオープンしました。しかし、「E-2」ビザの申請を行ったところ、アメリカ大使館での面接で却下されてしまったのです。これまで貯蓄してきた財産の大半を使ったにもかかわらず、渡航することもできず非常に困っています。何か良い方法はあるでしょうか。

A

「E-2」ビザが却下された場合、ESTA(ビザ無しでのアメリカへの渡航)の登録をすることができなくなるためアメリカへの渡航はできなくなります(登録済みの場合もキャンセルになります)。このケースでは、ビジネスの後片づけをするという理由で「B-2」ビザを申請する方法も考えられますが、アメリカ大使館は「B-2」ビザを発行すると、その保持者がアメリカにおいて不法に働くことを懸念して、却下直後のビザ発行は、再度却下されるリスクがあります。また、再度「E-2」ビザを申請した場合でも、アメリカ大使館はいったん出した判断を容易に覆すことはしない傾向にあるため、同じ内容で申請を行うと、かなりの可能性で却下されると考えられます。

あなたの場合は、以下のような方法が考えられます。まず、上述したようにアメリカ大使館は、いったん出した判断をすぐには変えない傾向があります。一般的には、1年の期間を置く必要があると言えます。しかしながら、あなたの場合すでに新規ビジネスを起こしているため、1年もの期間を待つわけにはいきません。従って、すぐに再申請を行うには、前回の申請の時の内容から大幅な変更を行う必要があります。言い換えると、アメリカ大使館の前回の判断が間違っていたわけではなく、そこには足りない要素が存在していて、それを今回は十分に補っているものであることを大使館が納得する内容であることです。

そこで、まずは、却下された理由を分析する必要があります。大使館が直接却下の原因を伝えてくれることもあれば、そうでない場合もあります。そうでない場合は、面接の際の審査官とのやり取りから予測できる場合や、面接前に大使館から請求された資料などがあれば、そこから原因を探れる場合もあります。大使館が却下する理由としては、多種多様な原因が考えられるため、全てを網羅するのは困難ですが、大きくは次の理由が考えられます。

却下される理由
  1. まず、単純に投資額が少ない場合です。この場合は増資を行い、さらにその資金を「初期投資」として該当する使用目的に使うことです。「初期投資」として考えられるのは、機材、物品の購入、改装費などが代表的ですが、コンサルタント、リサーチ、マーケティング、会計士の費用なども含まれます。
  2. 次に考えられる理由が、現地の従業員の数が足りていないことです。アメリカ政府は、新規事業に対しては、アメリカ国内での雇用に貢献することを期待します。従って、前回の申請で、現地の従業員を十分に雇っていない場合は、新たに雇用を増やし、給与を支払い、その支払い証明を提出するのが良いと思います。サロンであるならば、申請者以外に合計5人以上の従業員を雇っているのが理想的です。ここで言う従業員とは、アメリカ人(国籍保持者)に限らず、グリーンカード保持者、「Lビザ」「Eビザの配偶者」「OPT保持者」など、合法的にあなたの会社で就労することができる人を全て含みます。合法的に就労できる証明として、さらには新たに従業員を雇ったことを強調するため、従業員全員の「I-9フォーム」を提出するのが良いと考えます。「I-9フォーム」は、移民局のホームページからダウンロードすることができます。

最後に、あなたの経験に関してですが、アメリカ大使館は、仮に投資を行ったとしても、申請自身が当該ビジネスを運営できるだけの知識・能力があるかどうかもその審査対象とします。もし、あなたにサロン経験が無いような場合には、仮にそれ以外の領域であっても、マネジメントを行った経験を明確にレジュメに表すこと、および次回の面接でうまく説明できるように準備しておくのが良いと思います。

次回の申請の際には、上記のどれか1つだけにこだわる必要はなく、例えば、増資を行った上で、従業員の雇用も増やすなどの複数の改善策を講じるのも賢明な選択肢であると言えます。いずれにしても、今回の変更部分を加えた事業計画書を提出するのが重要です。また、加えて重要なのが、次回の面接においてこの変更部分がうまく説明できることです。なぜなら、この説明が説得力ある形でできることが、あなたが、このビジネスを運営することができる能力を持ち合わせているかどうかの評価にもつながるからです。

上記を考慮し、変更部分は大きければ大きいほど、認可の可能性を上げることになりますので、十分な準備を行って再申請をされることをお勧めします。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

2024年 5月 1日更新

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Columnist's Profile

CEO/Attorney瀧 恵之(瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation)

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

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