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Topic

Mrカブリツキさん

프리토크
#1
  • IE
  • 2002/09/25 19:39

こんな個人的なトピを建てて申し訳ないけど、あなたは面白い!ウェブ上とはいえあれだけ自分の意見を明確に示せるのは見てて気持ちがいいです。(その意見が正しい正しくないは別にして)これからもその勢いで書き込みしてください。

#88

今日は時間があったので早く書けました。これから御飯を食べて来ます。どうぞごゆっくり。

怒濤の第五話です。

第五話 勇気と誠

タケノリとコヨーテの実の母ケイコが暮らす影山家は甲府市内から少し外れた山間地に近い場所にあった。この地域には未だに山岳信仰が根強く残っており、鎮守の森と呼ばれる松林にある大萬尊(おおよろずのみこと)神社には、地元の人々が欠かさず参拝に訪れていた。
ケイコはコヨーテを生んでからというもの、体調はずっと思わしくなく、ほとんどが床で過ごす毎日で、ずっと毋トモヨの世話になっていたのだった。

トモヨ「ケイちゃん、御飯ができたよ。お前の好きなブリ大根作ってみたんだけど、食べるかい?」
ケイコ「母さん、ありがと。いつもごめんね、世話ばっかりかけて...」
トモヨ「何いってるんだい。親子じゃないか。そんなことより、さ、食べて元気出さなきゃ」
ケイコ「うん...。かあさん、あたし、最近ちょっと思うことがあるんだけど」
トモヨ「なんだい?わかった!いいことばかり言って、結局はお前をこんな目に遭わせたあのモナーって男に復讐したいんだろ?それなら母さん協力するよ。あんな男見つけだして、懲らしめてやればいいんだ。2ch.なんかに手を出して...」
ケイコ「そうじゃないの。もちろんモナーって人は好きじゃないわ。はっきり言ってキライ。でもね、そんなことはもうどうでもいいの。それより、私が気にしてるのは、タケノリとコヨーテのことなのよ」
トモヨ「気にするって何をだい?ふたりともいいところで育てられて、そうだね、もう大学生くらいになってる年頃だね。あたしもその後のことはよく知らないが、お前、何を気にしているんだい?」
ケイコ「うん...、母さん?真面目な話するけど、あたし、あとどのくらい生きられると思う?」
トモヨ「い、いきなり何を言うんだい、お前って子は。そりゃ、お前は病弱で、ここんところずっと、外にも出られないような状態だけどさ。でも、こないだだって、検診に行った時、先生、少しずつだけど良くなってますねって、そう言ってたじゃぁないか」
ケイコ「母さん!もうよして!あたし知ってるの。あたしの病気のこと。"BBなB型肝炎"なんでしょ?自分でもなかなか良くならないこと気にしてはいたけど、この間の検診の時、母さんが先生から呼ばれて話してたこと、こっそり聞いてしまったの。ううん、隠してた母さんを怒ってなんかないのよ。ずっと面倒見てくれてきたんだもん、言葉では言えないくらい感謝してるわ」
トモヨ「お前...」
ケイコ「そんなことはいいの。あたし、どうせ残りの人生が短いのなら、せめて自分の思うように生きてみたいって思ったのよ。それで、母さんにお願いがあるの」
トモヨ「ごめんよ。ケイコ...。せめて病気のことは気にさせまいと思って、母さん、ずっと内緒にしておこうと思って....」
ケイコ「だから、母さん、もういいんだから。それよりお願い、聞いてくれる?」
トモヨ「なんだい?母さんにできることだったら...」
ケイコ「さっきも言ってたタケノリとコヨーテのことなんだけど、」
トモヨ「お前、会いたいのかい?」
ケイコ「うん...、そりゃ会いたいわ。ふたりともあたしがお腹をいためて生んだ子供達だもの。でもね。タケノリには一度会ったのよ。もう三年も前のことだけど。あの子、自分で戸籍を調べて、あたしに会いに来たことがあるの。ちょっと堅いけれど、素直でいい子だったわ」
トモヨ「で、お前、コヨーテのことは教えたのかい?」
ケイコ「ううん。言おうかとも思ったんだけど、ふたりとも、もう別々の家庭で育ってるじゃない。そこでまた自分に兄弟がいるって分かったら、またあの子たち色々と悩むと思って、ここまで出たんだけど言えなかったわ」
トモヨ「そうかい...。まぁ、その方が幸せかもしれないねぇ。」
ケイコ「でもタケノリ、どこで知ったのかしらないけど、ゲンゾウさんが自分の本当の父親じゃないこと、勘付いていたみたいで、あんまり執拗に聞くもんだから、ジロウさんのこと、話してしまったの。でもね、あたしも東山の家を飛び出した後のジロウさんのことは未だに知らないわけだし、あたしの知ってる甲府一高時代のあの人のことだけ、話してあげたの。あの子、喜んでいたわ。自分も建築に興味があるんだって言ってた」
トモヨ「で、お前、子供達ふたりに何がしたいんだい?」
ケイコ「うん。あの子たちふたりが、今幸せに暮らしているんだったら、私のわがままだけで会うつもりはないの。それより私やジロウさんのような悲しい思いをせずにのびのびと生きて欲しいって思ったの。それでね、」
トモヨ「お前、ちょっと話が長くなってきてるから手短にお話しよ」
ケイコ「わかってる。母さんにお願いしたいのは、これをふたりに渡して欲しいの」
トモヨ「なんだい?...、お、お前、これは、鎮守の森の神社のお守り、逆ひょうたん様のお札じゃぁないか?」
ケイコ「そうよ。逆ひょうたんのお札には、どんな時も勇気と誠を忘れずに生きなさいって言う念が込められてるんですって。あたしこのお札を、死ぬ前にそっとふたりに渡したいの。ううん、あたしからなんて言ったら波風が立つから、母さんなんとかうまく考えてくれないかしら」
トモヨ「そうかい...。逆ひょうたん様のお守りをねぇ...。わかったよ。なんとかしてみるよ」
ケイコ「ありがと、母さん、恩にきるわ」

自分が生んだふたりの子供から、生涯一度も「お母さん」と呼ばれることなく、死を迎えることも覚悟していた病弱なケイコ。しかし、自分を訪ねてきてくれたタケノリとの再会はケイコの病んだ気持ちを勇気づけたのだった。子供達は自分のそばにはいないが立派に育っている。それだけでも有り難いじゃないか、と。そして残りわずかな人生でも、良い一生だったと思うようにさせてくれた子供への感謝の気持ちが、逆ひょうたんの守り札なのである。


一方、東京は渋谷のホテル街にて。

東山「コヨーテ君、本当に良いのかい?こんなおじさんと、その、そういう関係になってしまっても...」
コヨーテ「君呼ばわりしないで、コヨーテって呼んで下さい。私も、ジロウさん、でいいでしょ?」
東山「あ、ああ。そんなことは構わないが、それにあのタケノリって青年のことはいいのか?なかなか好青年じゃぁないか」
コヨーテ「今はタケちゃんのことは言わないで下さい。私が見つめているのはジロウさんだけなんですから」
東山「そ、それは嬉しいんだが...」
コヨーテ「ジロウさんは、あたしのこと嫌いなんですか?」
東山「そんなことはない。甲府から出てきて以来、研究所にこもりきりだった私だが、君には何故か、懐かしさを感じるところがあってね。なんというか落ち着くんだ」
コヨーテ「嬉しい!なら、いいじゃないですか。ここでいいでしょ?ホテル フリートークですって、楽しそう!」
東山「君は、その、いつもこんなところへ、来るのか?」
コヨーテ「え〜!来ませんよ〜!なんだかコヨーテって、軽いキャラみたいですけど、そんなことないんですよ。真面目な田舎者です」
東山「そ、そうか、入るとするか、ハハハ...」

ホテルへと入ってゆく二人をつける影があった。

タケノリ「まさか、コヨーテと東山教授ができていたなんて。ああ、せっかく思いきって東京までやってきたのに...」
miu「だから言ったでしょ。タケノリ君信じないからこんなとこまで来ちゃったけど、恋愛は自由なの。わかった?」
タケノリ「よくわかったよ。でも、あんなに純真で真面目だったコヨーテが...」
miu「女はね、そんな見た目ほどか弱くないのよ!って言うか、惚れた男にはなんでもできるんだから。でも、まだ諦めきれないんだったら。彼女達の隣の部屋借りてもっと確認してみる?あたし、タケノリ君とだったら....、いやじゃないけど...」
タケノリ「ごめん、僕、なんだか気分が悪くなってきて、悪いけど、帰るよ」
miu「そう?、まぁ、いいけど。でもはっきりしたから良かったじゃない」
タケノリ「あ、ああ...」

肩を落としさってゆくタケノリ。
すると暫くしてホテルから飛び出してくる男女があった。
コヨーテ「待って、ジロウさん!どうして?やっぱりあたしじゃダメなんですか?」
東山「す、すまん。このとおりだ。わけは今は言えんが、とにかく今日のことはなかったことにしてくれ。すまん...」
走り去ってゆく東山。
後に残されたコヨーテ。トボトボと駅に向かって歩いていると、東急ハンズの前でmiuと出くわした。
コヨーテ「あら、miu。こんなところで何してんの?ひとり?」
miu「コヨーテこそ。東山教授は?あっ......」
コヨーテ「なんであたしが教授と一緒だったって知ってるの?」
miu「あのぉ..、それは、なんとなく...」
コヨーテ「なんとなくじゃないでしょ!まさかあなた、つけて来てたの?」
miu「そんな、興信所みたいなことしてないよぉ。ただタケノリ君がコヨーテのこと心配して...」
コヨーテ「なんですって!じゃぁ、タケちゃんもあたしと教授のこと?」
ただコクンとうなずくmiu。
コヨーテ「あたし、ひとりになっちゃったんだね...」

親子と兄妹と言う奇妙な三角関係は、今大きく崩れようとしていた。東山は何故コヨーテの元を去ったのか。タケノリはこのまま東京にいるのか。逆ひょうたんのお守りは力を発揮するのか!?物語は佳境へ!


次週は「意外な再会」おたのしみに。

#89

読む気しねー

#90

いやー、こんなに早く読めるとは思わなかった!すごい展開になってきた。意外ともてるな、タケノリ!こんどはmiuちゃんといちゃいちゃかぁ!(大爆笑)
 まあ今までのいきさつをご存知ない方にとってはそうでしょうね。ごめんなさい。

#91

うそ、、コヨーテはイメージ悪すぎ(爆笑)!ここまで軽いの!!????こりゃまいった。(えー、本物は本当にこんなじゃありませんから、、あしからず。。多分Takeさんより堅い!)
にしても、ほんとよく考えますねぇ。尊敬します。人間関係も、復習しないとよくわからなくなってきました(単に頭悪いせいですが)。目指せアガサ・クリスティー(笑)。
ケイコさんたちはもしかして、カブ先輩とも関係があるのではないですか?もしかして。話が長いくせがあるらしいですから(笑)。お母さんの妙に冷静な突っ込みが好き(笑)。しかも病名って。。もしかして、尽くして尽くして尽くしまくってしまう病気ですか?
Takeさん、傷つけちゃってごめんなさい(笑)、逆ひょうたんさん、次こそは、もうちょっとTakeさんもコヨーテもかわいがってあげてください。逆ひょうたんさん自身はお守りだなんて、妙に崇高な役どころなのね(笑)!

#92

↑読みたくなければ読まなければいいんだよ〜!
でも言葉遣いは気をつけようね〜!
「しねー」じゃなくて「しない」「しません」だよ!
がんばれ!
あ、こういう時の頑張れ!がいけないんですかねぇ...???
さて、カブは楽しく拝読致しました!BBなB型肝炎!おそろし〜!でもって、親兄妹の三角関係って、なんかすごいことになってしまいましたね!
どなたかカブと、ホテル フリートークご一緒してくれませんかぁ?なんちゃって!ガハハハハ!
がんばれ!

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