米国の歯科診療 101

米国の歯科診療は日本で行われている診療と似ているものもあればかなり違いがあるものもあります。今回のシリーズでは米国の歯科診療101と題して簡単にこちらでの歯科診療が日本のものとどう違うのか、また米国で行われている一般的な治療から最先端の歯科診療に至るまでをDr.伊藤が分かりやすく説明します。

2017年 3月 28日更新

第22回 : 骨粗しょう症と歯科治療

骨粗しょう症(Osteoproshesis)とは、骨密度の低下または骨質の劣化により、骨の強度が著しく低下するために、骨折したり、骨折しやすくなる状態のことです。一般的には、閉経後の8割の女性に多く見られますが、最近では男性がかかるケースも増えています。60代の女性では3人に1人、70代女性では2人に1人が患者になっている可能性があると言われており、自覚症状がない場合が多く、骨折して初めて気づくことがほとんどです。

骨粗しょう症は、あくまでも体のコンディション(状態)であって、病気でないとも言われています。図1は正常な骨密度の状態、図2は骨粗しょう症の様子です。ご覧のように、正常な場合に比べ、図2は骨の密度が低下しており、転んだりすると骨折しやすい状態になっていると言えます。重度になると、日常の生活においても、ちょっとしたはずみで骨折したりすることもあります。

  • 図1 Healthy bone

  • 図2 Osteoporosis

骨粗しょう症の予防

予防には、次の3つが有効とされています。

  1. 栄養補給:ビタミンD、カルシウム、ビタミンKをきちんと摂る。
    カルシウムは骨を作る重要な栄養素の一つです。ビタミンDは摂取したカルシウムを体に吸収するのに役立ちます。そしてビタミンKは吸収されたカルシウムを体の必要な場所に振り分ける重要な役割を果たします。
  2. タバコを吸わない。アルコール飲料を控える。
  3. ビスフォスフォネートを摂取する。

    ビスフォスフォネートは、主に閉経後の骨粗しょう症に使われる薬で、破骨細胞と呼ばれるケミカルの働きを抑制し、骨のカルシウム分を溶かして血中に流れ込むことを妨げ、密度が減っていくのを防いでくれます。骨粗しょう症のとても有効な治療法で、米国ではとてもポピュラーな薬です。ビスフォスフォート系製剤の代表的な薬に「Fosamax」というのがあります。

歯科診療との関連

ビスフォスフォネートは、特に骨粗しょう症による骨折を防ぐのに有効的な薬ですが、歯科診療においては、このビスフォスフォネートによる副作用が問題となっています。抜歯をしたり、骨に感染があったりなどして治療を行った際には、破骨細胞の働きがとても大切です。破骨細胞は死んでしまった骨細胞や、感染した細胞を溶かして血中に流す役割を担っているのです。ところが、Fosamax等のビスフォスフォネート系製剤を服用しているために、口腔外科などで手術を行った際、本来溶けて無くなって欲しい細胞が溶けないで残ってしまいます。死んだ骨細胞は、体内から排除しようとするため、歯茎が後退し額骨が露出され、顎骨壊死という状態を引き起こします。これらの副作用は、比較的最近歯医者により発見され、医師と歯科医の両方で、その知識が共有されるようになってから、まだ10年と経っていないのが現状です。

問題点と対処法

ビスフォスフォネートの服用患者が、口腔外科が必要になった際の対処法は、次の事が考えられます。

  1. 主治医にビスフォスフォネート以外の薬の処方をしてらう。
  2. ビスフォスフォネートの服用を、医師の許可を得て4カ月間止めてもらう(ドラッグホリデー)。
  3. 外科以外の治療法の選択をする。

歯科医院で記入する問診表はとても大切です。できる限り正確に記入する必要があります。特に、アレルギーに関しての項目や現在服用中の薬などは、記入漏れがあると命に関わる問題になることもありますし、Fosamaxのような薬を摂取されている方がインプラント治療を行うと、予期せぬ副作用が出る可能性もあります。不明な点があれば、遠慮せずに、ドクターかスタッフに相談されることをお勧めいたします。

2017年 3月 28日更新

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Columnist's Profile

歯科医師伊藤 仰一(Dr. Kouichi Itoh / ホンダプラザ歯科医院 / The Loft Dental Studio)

1980年、歯科医師になるため渡米。米国歯科医師免許(DDS)取得後、ロマリンダ大学大学院口腔インプラント外科講座修了。歯科補綴専門医コースに一年間所属。その後、助教授として同大学に在籍。米国における日本人としては初めてのインプラントロジストとして日本口腔インプラント学会や歯科大学での招待講演多数。現在も日本においてインプラント研修会の講師を多数務める。2001年よりリトル東京ホンダプラザにて開業。2007年にはオレンジ郡コスタメサに2件目のオフィス、The Loft Dental Studioをオープン。インプラント治療を中心とする審美歯科医院で両医院とも最新の設備を装備。レーザー診療をはじめ、今話題のマイクロサージェリーも提供。その他に一般歯科、口腔外科、歯槽膿漏、麻酔科、Invisalign 歯列矯正、Lumineers治療も提供。患者さんは州外、日本からの来院もある。

コラム羅府新報歯科診療最前線2005年~2007年
TJS日本語ラジオ放送デンタルアベニュー30分放送平日毎日2007年~2008年
コラムTV ファン「歯科診療こぼれ話」2007年~2010年
現在、TJS Japanese Radio FM106.3 の番組 LA Morning にて『Dr.伊藤のデンタルアベニュー』を隔週火曜日に放送中。

Dr. Kouichi Itoh / ホンダプラザ歯科医院 / The Loft Dental Studio

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