비비나비 : 로스앤젤레스 : (미국) Los Angeles

＜例＞　Cさんのケース

ご主人がミディエーションを強要！「利益相反」に気付き、取った行動とは？

当時、Cさん夫婦の仲は非常に悪く、家庭内別居が続いていました。ご主人は仕事を辞めてしまった後、うつ状態になり、またその頃からCさんに暴言を吐いたり暴力を振るうようになりました。幸い、お子さんに暴力を振るうことはなかったのですが、お子さんの1人（当時8歳）が学校のカウンセラーに「家に帰りたくない。お父さんとお母さんのケンカに耐えられない。お母さんと私は家にいても安全ではない」と訴えました。

カウンセラーは、すぐに「チャイルド・プロテクティブ・サービス　CPS：Child Protective Services」 や「デパートメント・オブ・チャイルド・アンド・ファミリーサービス　DCFS：Department of Child and Family Services」、警察に通報し、Cさんとお子さんは一時的に保護されることになりました。しかし、ご主人は「全てCさんの責任である」と主張しました。Cさんに「子どもを連れて日本に永久帰国する」と脅されていたため、暴言を吐いたり暴力を振るったというのです。

夫婦が互いを責め合い、最終的に離婚にまで話が及びました。ご主人は、離婚を進めるためにミディエーター（調停人）を入れることをCさんに強要してきました。最初は言われるままに、ご主人からの調停案を受け入れていたCさんでしたが、次第に親権やチャイルドサポートの条件が互いに違うこと（利益相反）に気付き、弁護士である私に相談してきたのです。結局、互いに弁護士を立てて争議離婚として進めることになりました。

私たちはCさんの依頼を受けてすぐに、離婚に関するご質問の回答とともに、「接見禁止命令」の申請を始めました。まず、「チャイルド・プロテクティブ・サービス」や「デパートメント・オブ・チャイルド・アンド・ファミリーサービス」にご主人の暴力についてのレポートを提供し、裁判所にも一時的に子どもたちの親権をCさんに与えるように（子どもの安全確保）申請しました。さらに、ご主人に対するアンガーマネージメントクラス受講を要請し、クラスが終わるまで子どもたちへの接見は避けたいということを緊急事項として申し立てたのです。結果的に、これはお子さんの安全を守ることになりました。

ご主人が主張していたCさんによる「子どもの連れ去り」についてですが、確かにCさんはご主人に「子どもを連れて日本に帰国する」と口にしたことがあったようです。しかし、これには深い訳がありました。Cさんは出産直前までパートでレストランに勤務していましたが、産後うつで働けなくなってしまったのです。そのため、ご主人に働くようにお願いし「もしこのままなら日本に帰るしかない」と、聞きようによっては脅しともとれるようなことを言ったそうです。その実、Cさんは子どもの教育のためにアメリカに残ることを希望していました。自分がした苦労を子どもにはさせたくないと、愛情を持って子育てをしていたのです。

※ケースは個々によって異なるため、必ず専門弁護士にご相談ください。