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Joseph L Pittera Law Office of Joseph L. Pittera yumi.jpitteralaw@gmail.com

最新コラム

第29回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと 「利益相反」問題勃発。迅速な行動と決断を!

バックナンバー

第1回 : 
離婚の基礎知識 ~これは絶対に知っていないと損をする!
第2回 : 
協議離婚、争議離婚、欠席判決について
第3回 : 
「養育費や親権について」離婚相手との話し合いが平行線の場合は、裁判所が決定!?
第4回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら①
第5回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら②
第6回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら③
第7回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら④
第8回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について①
第9回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について②
第10回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について③
第11回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について④
第12回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について⑤
第13回 : 
Q&A「離婚調停中にDVで逮捕された!ケースはどうなるの?」
第14回 : 
Q&A「離婚調停中に淫行で逮捕された!どうすればいい?
第15回 : 
Q&A「離婚合意書」の内容を変更することはできるの?
第16回 : 
Q&A 「DVで結婚生活が破綻。離婚を申請したらどうなるの?」
第17回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース2
第18回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース3
第19回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース4
第20回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース 最終回
第21回 : 
離婚と接見禁止命令について ~その1~
第22回 : 
離婚と接見禁止命令について ~その2~
第23回 : 
離婚と接見禁止命令について ~その3~
第24回 : 
離婚合意書とは?
第25回 : 
離婚合意書に付けるフォームについて ①
第26回 : 
離婚合意書に付けるフォームについて ②
第27回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと「ミディエーション(調停)」とは
第28回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと ミディエーターでは難しい?「利益相反」問題解決
第29回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと 「利益相反」問題勃発。迅速な行動と決断を!

ジョセフピテラ弁護士の『家族や離婚にかかわるトラブル』かけこみ寺

家族や離婚にかかわるトラブルで悩むすべての方の力に。1994年以来の長年の経験と実績をもつジョセフピテラ弁護士監修で離婚や家族のトラブル、及びそれらにかかわる刑事事件を絡めながら問題解決に役立つ情報をお届します。さまざまな情報が飛び交うこの時代で正しい情報・知識を発信し迅速な問題解決につながるようお手伝い致します。

2022年 6月 3日更新

第7回 : 離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら④

「第4回:離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら①」「第5回:離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら②」「第6回:離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら③」に続き、離婚申請前や直後、または調停中に相手や自分が刑事事件を起こしてしまった場合についてご説明します。

今回のコラムでは、調停で出てくる専門用語に触れながら、刑法の中で必ず知っておかなければいけないことについて説明致します。

アレインメント(Arraignment)
アレインメント(公訴)は、被告の立ち会いの下で刑事告発文書に基づいて、彼らに対する告発を知らせることです。告訴に応じて、被告人は罪状認否を入力することが求められています。容認できる罪状認否は法域によって異なりますが、一般的には「有罪」「無罪」および裁判を進める上で必要な罪状認否が含まれます。コンテストなし(No Contest 異議申し立てをしないという意味)および罪状認否は、状況によって許可されます。
ディスカバリー(Discovery)

ディスカバリーとは、一般法の管轄の法律において、民事訴訟法や刑事法などを通じて、各当事者が尋問、要求などのディスカバリーデバイスを使用して他の当事者から証拠を取得できる訴訟中の手続きです。文書の作成および寄託の要求。召喚状を使用して当事者以外から必要な書類を得ることができます。証拠開示要求が異議を唱えられた場合、要求側は、証拠開示を強制する申立てを提出することにより、裁判所の支援を求めることができます。

アメリカでは、法律と事実認定に素人の市民で構成される陪審員で裁判をするのが原則であるために長期の審理が不可能です。そこでトライアル(Trial:正式審理)では集中審理、直接主義、口頭主義が貫徹され、これを可能とするためにディスカバリーやプリトライアル・コンファレンス(Pre‐Trial Conference:正式審理準備手続のための会合)など、トライアル準備の制度が設けられているのです。簡単に言うと当事者間の証拠集めや話し合いです。

ケースが軽犯罪または重罪であれ、特に大切なのはこのディスカバリーの作業があるケースです。特に重罪ではこの内容によってケースが被告人に有利になることもよくあります。一方で被告人に不利になることもありますので弁護士を通じて作業を行いましょう。

基本的に軽犯罪でも、このディスカバリーの作業は弁護士に任せるのが賢明です。あなた自身が証人の場合は出廷義務が生じることもありますので、適当な思い込みで証言を行うことはやめるべきです。軽犯罪でもこの作業をいい加減にしてしまうのはよくはありません。証拠の扱い方は弁護士に任せましょう。また、勝手に相手や被害者に連絡に連絡を取ろうとしたり、相手を脅したり、証拠隠滅を試みたりする人がいますがこれはもちろんNGです。
実際にあったケース
被害者を脅し証拠隠滅!

以前私が担当したクライアントに証拠隠滅を図ろうとした人がいます。クライアントが酒を飲んだ際に利用したタクシーのドライバーと口論となり、酔った勢いでドライバーに暴力を振るってしまいました。帰宅後、クライアントは警察によって逮捕されました。さらに妻と口論となり酔って殴ったという事件も重なりました。彼はこの両ケースともに証拠隠滅を図ったのです。最初のケースは車から指紋を拭き取り、ドライバーにこの事を他言したらドライバーの家族に危害を加えるなどと脅してその場を去ったそうです。2つ目のケースも、妻に警察に通報したらもっと暴行してやると脅していました。

最初のケースは、バレないだろうとタカをくくり、とりあえず逃げれば大丈夫と指紋を拭き取ったものの、指紋は拭き取り切れずに残っていました。クライアントがやった証拠隠滅はもちろん許されることではありません。このケースでは暴力を振るわれたドライバーが一生にわたる障害を負ったことでさらに深刻化しました。クライアントはウオッカをひと瓶の半分以上も飲んで記憶がない状態でタクシーに乗ったのです。酔っ払って気が大きくなりちょっとしたケンカのつもりが相手に大変なけがを負わせることになりました。

暴行を加えて証拠隠滅を図ったこのケースですが、なぜケンカにいたったのでしょうか。クライアント曰くタクシーが自分が酔っ払って車に乗ったのを見て、近場をぐるぐると周りメーターを稼ごうとしたそうです。実際、メーターを見たら通常より3倍以上の料金になっていたようで、支払いを拒否すると、タクシーが呼べないような危険な地域で降ろされたためケンカになったということでした。クライアントは、相手を重症を負わせるほど殴りとっさに指紋隠滅を図ったことさえ覚えていませんでした。

このケースの争点は、ドライバーに同様のクレームが過去に会社に報告されたことがあるかということでした。お酒を飲んでいる客だからといって迂回し、通常の3倍の料金を請求したことも被害を大きくしたと指摘した上で、クライアントがAAミーティングに行くだけではなく、ドライバーのケガの治療費を払うことも約束した上で(通常、民事事件では相手の治療費を払います)今回は特別な配慮がされたのです。詳しい内容は言えませんが、検事(DA)はドライバーの被害を軽減することを最も重要視しており、ケガがかなりひどく回復するためには時間やお金がかかるので、そこに重きを置き検察との交渉を行いました。

また、妻とのケースは、飲酒によって暴力に至ったということで、飲酒をやめることと、AAミーティングやDUIのクラスを取ることによって、重罪から軽犯罪に軽減することに成功しました。もちろん相手を脅すような行為は二度とあってはなりません。クライアントはDUIやAAミーティングに加え、他のクラスを取り再犯しないように努めました。

話し合いに関しては、迅速に弁護士(友達や司法書士ではなくあくまでも弁護士であること)を雇い、ケースの状況を必ず確認してどうすればいいか相談することをお勧めします。

2022年 6月 3日更新

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Columnist's Profile

弁護士Joseph L Pittera(Law Office of Joseph L. Pittera)

1994年より法律全般に携わり、特に親権・養育費・DV問題、離婚に伴う財産分与など家族や離婚にかかわる家族法に関して豊富で幅広い経験を持つ。それだけでなく、刑法、破産法、会社法などの様々なケースを取り扱ってきた。他の弁護士事務所ではあきらめられてしまったような複雑なケースも最後まで根気よく対応している。

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※本コラムはJoseph L. Pittera弁護士による法律アドバイスを日本人パラリーガルが翻訳・編集したものです。

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