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- 離婚の基礎知識 ~これは絶対に知っていないと損をする!
- Vol.2 :
- 協議離婚、争議離婚、欠席判決について
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- 「養育費や親権について」離婚相手との話し合いが平行線の場合は、裁判所が決定!?
- Vol.4 :
- 離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら①
- Vol.5 :
- 離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら②
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- 離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら③
- Vol.7 :
- 離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら④
- Vol.8 :
- 離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について①
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- 離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について②
- Vol.10 :
- 離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について③
- Vol.11 :
- 離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について④
- Vol.12 :
- 離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について⑤
- Vol.13 :
- Q&A「離婚調停中にDVで逮捕された!ケースはどうなるの?」
- Vol.14 :
- Q&A「離婚調停中に淫行で逮捕された!どうすればいい?
- Vol.15 :
- Q&A「離婚合意書」の内容を変更することはできるの?
- Vol.16 :
- Q&A 「DVで結婚生活が破綻。離婚を申請したらどうなるの?」
- Vol.17 :
- DVによる離婚訴訟。サラのケース2
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- Vol.21 :
- 離婚と接見禁止命令について ~その1~
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- 離婚合意書とは?
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- 離婚合意書に付けるフォームについて ①
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- Vol.27 :
- 離婚裁判で知っておきたいこと「ミディエーション(調停)」とは
- Vol.28 :
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ジョセフピテラ弁護士の『家族や離婚にかかわるトラブル』かけこみ寺
家族や離婚にかかわるトラブルで悩むすべての方の力に。1994年以来の長年の経験と実績をもつジョセフピテラ弁護士監修で離婚や家族のトラブル、及びそれらにかかわる刑事事件を絡めながら問題解決に役立つ情報をお届します。さまざまな情報が飛び交うこの時代で正しい情報・知識を発信し迅速な問題解決につながるようお手伝い致します。
Vol.4 : 離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら①
もし離婚申請直前に相手(配偶者)が刑事事件を起こした場合、ケースによっては申請に影響する可能性があることを知っておかなければいけません。まず、刑事事件には「軽犯罪 Misdemeanor」と「重罪(重犯罪)Felony」の2種類があります。軽犯罪または重罪のどちらに該当するかはケースによって変わります。例えば、飲酒運転の場合、単なる飲酒運転で逮捕されると軽犯罪になりますが、人をケガさせたり交通事故を起こしたりすると、検察官は問題を重くとらえて重罪を科す場合があります。また、950ドル以下の物品を盗むと「万引き(Petty Theft)」として軽犯罪ですが、950ドル以上の物品の場合は重罪になることもあります。
また、暴力も程度によって軽犯罪または重罪になることがあります。自分や相手がどれだけのダメージを負ったか、どちらが仕掛けたか、またはどういう状況だったかなどが考慮されるので、罪状認否(Arraignment)を行いポリスレポートや検察官の起訴状をもらったら、状況の確認と起訴状の内容を確かめる必要があります。
離婚の相手が刑事事件を起こすと、事件が終わるまで離婚調停が遅れてしまう可能性もあります。軽犯罪は比較的問題ありませんが、問題は重罪です。必ず自分の弁護士に相手のケースの状況を確認してもらい、離婚が進められる状態であるかを知ることが賢明でしょう。ケースによっては、罰金を払うだけの簡単な場合がありますが、ビザの取り消しがあると、親権や訪問権への影響は避けられないからです。特に、後半で話しをしますが、重罪の場合は長く時間が掛かることもあります。ケースによっては、刑事事件の結果が出たら、離婚の申請をすぐに行いできることはやっておく方がよいこともあります。ケースにより状況が変わってくるので、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
もう一つの注意点は、刑事事件の場合、周囲の意見は当てにならないこともあるということです。罪を犯した本人はもちろん分かっていないことが多いのですが、友人など周りの人が間違ったことを言うことがあります。餅は餅屋という言葉はまさに真理をついており、専門の弁護士に依頼するのが一番です。私のクライアントでご主人が飲酒運転で捕まってしまったのですが、奥様は飲酒運転をしたことを理由に子どもの親権を100%もらいたいといってきました。しかし、運良く事故を起こしていなかったことや、初犯でこれまで何のトラブルもなかったことなどから、AAミーティング(アルコホーリクス・アノニマス)や飲酒クラスに参加するだけで親権に影響はありませんでした。しかし、このケースも弁護士がいなければ親権に影響したかもしれません。刑事事件になったら必ず弁護士を立てることをお勧め致します。また、重罪の場合は刑法と離婚を専門とする弁護士を探しましょう(どちらも専門にしている弁護士もいます)。
- 飲酒運転(DUI) ... 軽犯罪も重罪もあり。
- 暴力 ... 軽犯罪も重罪もあり。
- 万引き ... 軽犯罪。
- 窃盗 ... 軽犯罪も重罪もあり。950ドルを超えると重罪の可能性あり。
- 強盗 ... 多くは重罪。
- 麻薬 ... 初回は軽犯罪。2~3回以上になると重罪の可能性あり。
- 麻薬の売買 ... 売る方は特に重罪の可能性大。
- 淫行 ... 軽犯罪や重罪もあり。
- 人身過失事故死 ... 重罪。
- あらゆる犯罪行為 ... 状況次第で、軽犯罪や重罪どちらにでもなりうる。
状況やダメージは検察官がポリスレポートを見て判断するため、起訴状を見ると内容が分かります(Penal Code, PC)。ダメージには、自分はもちろん、加害者(被害者)のケガやダメージ(物損的なダメージおよび身体へのダメージ、裁判所へのペナルティや罰金も含む)が入ります。こういう事件や事故の場合、離婚が成立していないのに別途刑事法の問題が入ることで、離婚のプロセスを遅れる原因になります。自分の弁護士から相手の弁護士に連絡してもらった内容を確認することはとても大切です。また、弁護士費用を2人の資産から払っていた場合、相手があなたの取り分からその費用を支払うようにしていると問題になることがあります(離婚調停中の場合)。
飲酒運転の場合は、運転停止期間の子どもの送迎問題や、運転免許証がないため仕事に影響が出てくると養育費や扶養手当が払えないといった問題も起こるので、状況を確認しておきましょう。軽犯罪の場合、仕事に影響が無くても、グリーンカードやビザの手続き上、ケースが解決した証拠がないと手続きが遅れたり書類を移民局出す必要がある場合もあります。
また重罪になると、相手(事件を起こした本人)が刑務所に入る場合も想定されるので、いろいろな状況を踏まえて行動しなければいけません。軽犯罪と重罪の一番の違いはその犯罪がどのくらい問題視されているかです。飲酒運転で誰もケガをしていないのと相手が重症で死んだり、かなりのケガを負ったかまたは大きな過失を起こしたかで変わります。
また、淫行は、相手が未成年の場合、問題視される可能性が高いです。一方、過失致死などは必ず重罪になるでしょう。これは検察側が決めることで、被害者が決めることではありません。私がよく聞かれる質問で刑事事件の被害者が自分になんらかの権利があり相手が起訴されるかどうか決められる権利があると思い込んでいますが、あくまで相手側(被害者)は何も決めることができません。あくまでも被害者はケースの中では証人というカテゴリーに入ります。ケースがシリアスであるほど重罪になり軽いと軽犯罪ですが、軽犯罪も同じ過ちを繰り返すと重罪になることもあります。
米国では、常習的な犯罪者法、一般的にスリー・ストライク・ルール(三振法)と呼ばれる法律が1994年3月7日に最初に施行され 米国司法省の反暴力戦略の一部となっています。これらの法律は、重罪に加え、その前に出た他の2つの有罪判決を合わせ3つになった場合、終身刑に服することを要求しています。法律の目的は、2つ以上の重大な犯罪で有罪判決を受けた者の刑罰を大幅に増やすことです。
私のクライアントは、このスリー・ストライク・ルールに引っ掛かり大変な状況になっていました。この方はアルコール中毒で飲酒をしたり事故を起こしたりで何度も逮捕されていました。このケースは、他の2つの重罪で本人が公選弁護士を選択したため、良い結果を出すことができませんでした。もし弁護士が戦えば軽犯罪になったはずであり、本人の知識の浅さが結果に出てしまったケースです。その後、重罪から軽犯罪になり、スリー・ストライク・ルールは免れたものの、およそ1年ほど掛かりました。
公選弁護士はお金がない人が利用できる無料の弁護士ですが、このような大変な事件に公選弁護士を利用しても良い結果を出るとは思えません。やはり、刑事法に特化した弁護士が不可欠です。飲酒運転による事故なのに、ビザの問題があるからといって移民法の弁護士など畑違いの弁護士に頼むのもお勧めできません。離婚と刑事事件を抱えている場合は、どちらの分野も熟知している弁護士を探しましょう。その方が、無駄な時間や費用を払わず効率良く進めることが可能です。
Updated on 2021/12/ 20
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- 弁護士Joseph L Pittera(Law Office of Joseph L. Pittera)
1994年より法律全般に携わり、特に親権・養育費・DV問題、離婚に伴う財産分与など家族や離婚にかかわる家族法に関して豊富で幅広い経験を持つ。それだけでなく、刑法、破産法、会社法などの様々なケースを取り扱ってきた。他の弁護士事務所ではあきらめられてしまったような複雑なケースも最後まで根気よく対応している。
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※本コラムはJoseph L. Pittera弁護士による法律アドバイスを日本人パラリーガルが翻訳・編集したものです。
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