インプラントを辞書で引くと 「移植組織片」 とあります。 異物を体内に埋め込むことを指します。日本語ではインプラントの事を人工歯根といいます。 つまりインプラントとは人工の歯根の代わりになるものを顎の骨に埋め込む事です。
インプラントの歴史は紀元前400年までさかのぼります。 発掘された頭骸骨の顎の骨に象牙がけづられた物が刺さっているものが発見されています。
近代歯科医学ではチタン (Titanium) が使われています。 チタンは軽くて強いというのが特徴でレーシングカーの車体のフレームやゴルフクラブのシャフト等に多く使われていますがその他の特徴に優れた生体親和性があります。 チタンは実際には酸化チタンという状態で存在しておりこれを骨細胞が異物とみなさないために骨と一体化して結合してくれます。 骨の回復には3ヶ月が必要なため通常インプラントの手術をした後3ヶ月ほど待ってから歯が入ることになりますが最近ではいろいろな新しいテクニックによってインプラントを埋入時に歯を装着する事も可能になってきています。
インプラントはフィクスチャーと呼ばれる骨内に埋入されるボディー部分とアバットメントと呼ばれる歯の土台になる部分からなりこの部分に歯が装着されることになります。 インプラントの歯は入れ歯と違い自分の歯に限りなく近い状態になるので違和感もなく、また審美性にも優れておりインプラントの歯は我々歯科業界にいる者にもレントゲンを見なければ天然歯との区別がつかないほどです。
インプラント治療はどの歯科医でも行っているわけではないので経験を持った歯科医に診断及び治療をしてもらう事が好ましいでしょう。