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米国公認会計士による、わかりやすい!会計・税金101
アメリカの生活ではつきものの、お金の話、会計や税金にまつわる基本情報や知っていると役に立つトピックスを選んでお届けします。
第7回 : ビジネスにおける控除可能な出費について
今回のコラムでは、ビジネスにおいて控除できる出費についてご説明致します。
- アメリカ国外からの贈与、遺産相続の申告
-
控除適用させるには、レシート、小切手、クレジットカードの明細書、ビジネスで使用したという証明が必要になります。
ラップトップコンピューターのようにオフィスから持ち出される可能性のあるものは、以下の点に注意してください。
※個人使用目的では使用しない、そのような場所へは持ち出さない。
※個人使用目的でも使用する場合には、ビジネス使用もしているという証明をする。 - デスクトップコンピューター
-
デストップコンピューターが、オフィスなどビジネスで使用している場所に置いてあれば、自動的にビジネスのための物とみなされ、それ以外の証明は不要になります。
もし、デスクトップコンピューターがオフィスではなく、自宅にある場合はどうなるのでしょうか?自宅がオフィスとして使用しているという控除扱いにされていなければ、コンピューターは「個人目的使用物」として扱われるので、ビジネスで使用しているという証明が必要になります。IRS規定1.274-5T(c)(3)(ii)(C)の例1において3カ月間の“ビジネス使用記録”について詳しく示されています。この3カ月間のビジネス使用証明では、何パーセントを個人目的で使用したか、またはビジネス目的で使用したかを報告します。
ビジネス用のデータベース費や教養費、訴訟費用においてはどうでしょうか。これらの費用はビジネス費用としての控除を得るために、ビジネスのために払われたという証明を法廷で提出しなければならない場合もあります。なぜ法廷に出向かう必要があるのでしょう。監査の時点で、運悪く融通の効かない監査員に当たるということもあり得ますが、自分の我を通し過ぎている、監査員に非協力的であるということもあり得ます。
これらの事項において、もしIRSの監査によって窮地に立たされたとしたら、これらのビジネスにおける使用を証明するにはどうすればいいか?証明書類を提示すれば全ての問題が解決するのか?といった疑問点が出てきます。
一般的に自家用車は個人目的用使用物とされますので、マイレージなどの記録が必要です。先例のラップトップコンピューターと同様に、最低3カ月間のビジネス使用記録が必要となります。
セクション274における記録が欠けているということもあり得ます。法廷では、ビジネスに使用したという証言をしたとしても証拠となる記録はないとみなされます。記録がない限りは通常通りに扱われます。即ち控除には不適当となります。
問題は、これらの証拠不記録が過失、または故意による規則無視として20パーセントの罰金がかかるかどうかということです。過失というのはIRSの規則に従うという努力を怠ったということで、無視というのは不注意による見落としや故意での無視も含まれます。証拠の不記録が過失、無視として扱われない場合には、20パーセントの罰金が科せられることもあります。
自家用車は「個人目的用使用物」とみなされますので、ビジネス使用記録が必要です。セクション274(d)にもあるように、マイレージの控除のためには証拠の記録が必要となります。
これらのビジネス費用の控除は、個人、事業主、法人、商社、そしてLLCにも適用されます。ビジネスの費用として認められるためには、レシート、クレジットカードの明細書など、支払費用に関する記録が重要になります。
2022年 9月 23日更新
Columnist's Profile
- 会計士・CPA尾崎真由美(Todd's Accounting Services / 尾崎会計事務所)
ワシントン州会計士、法学修士、経営学修士、尾崎会計事務所代表、シアトル国際会計代表も兼務。長年にわたる経験と知識で個人のお客さまから法人のお客様まで、個々のニーズに合わせたサービスを提供してきた。個人向けタックスリターン、相続税、その他タックスプランニングはもちろん、法人向けサービスとして会社設立サポートやアウトソース、ブックキーピング、会計税務コンサルティング等、幅広いサービスを展開。親切、お客さまに満足していただけるサービスを提供する。
Todd's Accounting Services / 尾崎会計事務所
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