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- 不安・心配の対処法~ポジティブ思考に騙されるな!
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- 親が変わらなければ子どもは変わらない~子どもの心の健康のために、親御さんができること・するべきこと~
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- 落ち込んでもいい、落ち込み続けなければ~ 悲しい・落ち込んだ気持ちへの対処法
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- 子どもが心の病を患っている時の“サイン”とは
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- ストレスは、「解消」するのではなく「共存」する
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- なぜ、薬だけでは心の病が治らないことがあるのか
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- その性格、変えられます!
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【ココロの健康のために】CA州公認心理カウンセラーが伝える正しい心理学
落ち込みたくない、心配しすぎたくない、子育てで悩みたくない。そんなあなたに、「うつ病と不安、子どもとその家族」専門のCA州公認心理カウンセラーが、心に関しての正しい知識や対処法をお教え致します。
第1次 : 不安・心配の対処法~ポジティブ思考に騙されるな!
初めまして。カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。このたび、びびなびロサンゼルスにコラムを書かせて頂くことになりました。ネット上に誰でも何でも書けてしまう昨今、心のことに関して間違った情報が多く流れてしまっています。その結果、何が正しいのか混乱してしまったり、間違った情報が原因で心の状態をむしろ悪化させてしまったりしている方を大変多く診てきました。このコラムを通じて、子どもの心の健康や、鬱、不安についてなど、正しい情報をお伝えしていきますので、ぜひお役に立てて頂ければ幸いです。
第1回目は、不安・心配とその対処法についてお話しいたします。新型コロナウイルスの脅威が世界を席巻し始めてから半年以上が経過しました。未だに終わりが見えず、コロナ禍での不安だけでなく将来の心配も尽きないのではないかとお察しいたします。
そもそも、不安とは何でしょうか。人は、テスト前に「良い点が取れるだろうか」と不安になります。大事な仕事をしている時、「うまくいくだろうか」と心配になります。アメリカのお住まいの皆さんも、渡米を決意した時、「本当にうまくいくだろうか」と不安になったことでしょう。不安・心配とは誰もが感じて当然の感情です。これは昔から人間に備わっている、脳のある部分が生み出す機能です。
もし、この機能が無ければ今頃大変なことになっています。例えば、車が走っていることなど全く気にせず、大通りを平然と渡ってしまうことでしょう。なぜなら、「この大通りを渡ってしまったら車に轢かれるかもしれない」と不安にならないからです。ある研究によると、過去に不安を司る脳の部分が機能していない女性がいました。周りがどれだけ注意しても、その女性は夜道を歩き続けました。女性は「夜道を歩くと危ないかもしれない」と不安になることができなかったのです。
この機能は、原始時代から続いている機能であり、これがあったからこそ人類は生き延びることができたと言っても過言ではありません。「あの森に行って大丈夫だろうか」「この岩陰から怖い動物が出てくるのではないだろうか」など、不安になることで自分の身を守ることができました。
現代では、原始時代のような死に直結し得るシチュエーションに出くわすことはほとんどありません。しかし、その当時の脳と比べても現代の脳は変わっていないので、不安になるような場面では、脳が原始時代と同じように不安になるようにできています。
ポジティブ思考という言葉をよく聞きますよね。日本では特にポジティブ思考を強調しすぎる傾向があり、心の専門家として大変懸念しています。自己啓発本などでは、「ポジティブ思考ができればすべての問題は解決する」「ネガティブ思考は考えてはダメ」といったような論調が目立ちますが、これらは大きな間違いです。
まず、理解して頂きたいのは、考え事というのは、常に一瞬で変わり続けているということ。今このコラムを読みながらも不安になるような考え事が頭に浮かんできたり、「原始時代」という言葉から原始時代についての映画を思い描いたりした方もいらっしゃるかもしれません。このように、考え事というのは常に流動的なのです。
また、考え事というのは自分で簡単にコントロールできるほど聞き分けの良いものではありません。私が、「ラーメンについて絶対に考えないでください」といった場合、ほぼ全ての方がラーメンについて「考えて」しまうことでしょう。
そして、何よりも決定的な事実があります。人間が考えていることの多くは、実はネガティブ思考であることが分かっています。原始時代から今の脳の機能は変わっていないことを考えれば、その当時と同じように、ネガティブ思考が生活の大半を占めていても不思議はないでしょう。
これが「考え」というものです。つまり、ネガティブ思考でもいいのです。それが自然な形なのですから。それを前途したような自己啓発本を信じてしまうと、そもそもコントロールすることが非常に難しい自然な形で発生するネガティブ思考を、受け入れてはいけないということになります。これでは、不安になることすらダメなのだとなってしまいます。
では、どうすればいいか。まず覚えて頂きたいことが1つあります。それは不安になって当然な状況では、文字通り“不安になって当然”ということです。例えば、テスト前、スポーツの試合前、新型コロナウイルスに関することなど、生きていれば毎日不安になって当然という場面はいくらでもあります。このような状況にいる場合は、むしろ不安になっていいのです。
実は、不安のおかげで状況を乗り切ることもできます。「テストで良い点数を取れるだろうか?」と不安になるから勉強します。「次の試合では良いパフォーマンスができるだろうか?」と不安になるから練習します。「新型コロナウイルスにかかってしまわないだろうか」と不安になるからしっかり手を洗います。つまり、不安とは、行動するためのガソリンでもあるわけです。このように不安になっていい状況では不安になって当然ですし、逆に不安が助けてくれているとも言えます。
しかし、不安・心配が生活に支障をきたしてしまっている場合は別です。生活に支障があるというのは、具体的に言うと、寝付きが悪い、イライラしやすい、落ち込みやすい、集中しにくい、物事に手が付けられない、物や人に当たりやすいなどの状態です。もし、不安になって当然の状況に置かれているのに、特に生活に支障をきたしていないようなら、全く心配する必要はありません。けれど、不安になって当然の状況に置かれていて、なおかつ前途したような生活に支障をきたしてしまっている場合は、不安・心配し過ぎている可能性があり、何か手を打った方がいいでしょう。対処法を以下に説明していきますが、これらを実行していく上で一番気を付けて頂きたいのが、対処法は不安を失くすためにやるのではないということ。前途したように、不安は消せるものではなく、場合によっては役に立つことすらあるのです。消すのではなくて、不安と共に生きることを目指してください。
まず、前提として、多くの方が「考え」と「感情」を混同しています。ですから、自分が何を考え、どう感じているのかを理解するために、1日1分でいいので、自分の考えと感情に気付く時間を作りましょう。その際に、無理やり何かを感じたり考えたりするのではなく、その時に頭の中に出てくる考えと感情に気付くだけでいいのです。ちなみに、感情とは「悲しい」「寂しい」「嬉しい」「楽しい」「悲しい」「幸せ」などの言葉で表すことができるものです。考えとは、それ以外のものです。例えば「〇〇だと思う」や「〇〇だと考える」といった具合です。考えと感情の違いに気付けるようになって、初めて不安・心配と向き合っていくことができます。
次に、五感を使ってみましょう。不安・心配に苛まれてしまうのは、「コントロールできない未来を考え過ぎてしまうことによって、今この瞬間に集中できなくなってしまう」状態です。今この瞬間、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)が何を感じているか口に出してみます。例えば「茶色のL字型の机が見える」「消防車のサイレンが聞こえる」「肉ジャガの美味しそうな匂いがする」といった感じです。こうすることで、考えを「今、この瞬間」に戻すことができます。
最後に、自分を実況中継すると、不安と共に生きることができます。何か不安を感じていたり、考え過ぎてしまっていたりするときに、「私は今〇〇を考えています」もしくは「私は今〇〇を感じています」と口に出してみます。これを続けていくと、自分がどういうことを考えているのか、何を感じているのかを第三者視点から見ることができ、考え過ぎや心配し過ぎの泥沼から抜け出すことができます。
ほかにもたくさんの対処法がありますので、また別の機会にご紹介します。
2020年 9月 17日更新
アダルトチルドレンからの脱却には正しい知識を得て、心理カウンセリングを受ける事が一番の近道です。しかし、費用などのさまざまな理由で心理カウンセリングを受けられない方が大変多いことに気付きました。そして、残念ながらそういう方はインターネットで対処法などを探すのですが、日本の精神医療の大幅な遅れが原因で正しい情報ではなく間違った情報を得てしまい、それがさらにアダルトチルドレンの状態を悪化していることにも気付きました。
このような方のために、心理カウンセラーとして自分に何ができるかを考えオンラインコースを作成いたしました。こちらが詳細になります。
オンラインコースでは、心理学先進国である米国の大学院を卒業した心理カウンセラーから、正しい心理学の情報によるアダルトチルドレンからの脱却法を学んで頂くことで、生きづらさの緩和が期待できます。ご興味のある方はお気軽にご連絡下さい。
ご質問等があれば、メール(tatsuya.arakawa.lmft@gmail.com)、
もしくは下記フォームよりお気軽にご連絡ください。30分間の無料コンサルテーションも提供しています。
荒川龍也 LMFT (#82425)
カリフォルニア州公認心理カウンセラー
Columnist's Profile
- カリフォルニア州公認心理カウンセラー (Licensed Marriage and Family Therapist)荒川龍也(Tatsuya Arakawa Therapy)
富山生まれ、名古屋育ち。小学校高学年頃からいじめなどが原因で心の病を患う。中学時には教師からの体罰に苦しみ、いじめが原因で不登校に。16歳で高校中退。2年間のカウンセリングを受けた後、夜間高校に入学。老人ホームでのボランティアで人の話を聞くことで聞く事の喜びを学ぶ。すぐに学校を辞めてしまう生徒が多い夜間高校で、話を聞くことにより下級生の高校中退を何度も防ぐことができ、話を聞くことの力を知る。この頃アメリカに短期留学し、魅了される。愛知県の大学院教授にアメリカは日本より100年心理学が進んでいるといわれ、心理カウンセラーを目指して渡米。カリフォルニア州立フラトン校大学院カウンセリング専攻卒業。大学院卒業後、3000時間のインターン時間を終え、国家試験を二つ合格し、現在のカリフォルニア州公認心理カウンセラーの資格を取得。子どもとその家族、重度の精神障害者とその家族、薬物中毒のクライアント等、多岐にわたり経験を積む。現在はトーランスで開業し、カウンセリングを提供。専門は、子どもとその家族、不安とうつ病。
Tatsuya Arakawa Therapy
- TEL:
- 424-254-8823
- FAX:
- 424-206-4903
- EMAIL:
- tatsuya.arakawa.lmft@gmail.com
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