【ココロの健康のために】CA州公認心理カウンセラーが伝える正しい心理学

落ち込みたくない、心配しすぎたくない、子育てで悩みたくない。そんなあなたに、「うつ病と不安、子どもとその家族」専門のCA州公認心理カウンセラーが、心に関しての正しい知識や対処法をお教え致します。

2021年 5月 19日更新

第9回 : 不登校

こんにちは。カリフォルニア州公認心理カウンセラーの荒川龍也です。

昨今の日本では、コロナ禍が原因で不登校児が増えていると言われています。また、不登校を堂々と宣言してしまうような子どものYouTuberも出てきて、不登校が注目を集めています。そこで、今月のコラムは、元不登校児としての経験、また心理カウンセラーとして多くの不登校児を助けてきた経験を基に、不登校について書いてみたいと思います。

不登校とは

そもそも不登校とはなんでしょうか。さまざまな定義が考えられますが、以下が不登校の定義であるべきです。

  • 学校に全く行かない子ども
  • 一部のクラスを登校拒否する子ども
  • 高校中退者(経済的な理由を除く)
  • 高校に行っていない子ども(経済的な理由を除く)
  • 母子登校 (親が付き添って子どもが学校に行くこと)
  • 保健室登校

しかし、この定義は日本には当てはまりますが、カリフォルニア州では当てはまりません。

カリフォルニア州では

この記事を読んでくださっている多くの方がカリフォルニア州在住だと思います。同州の場合、小学校から高校までが義務教育のため、高校に行かないという選択肢を取る子どもを聞いたことがありません。また、母子登校や保健室登校も許されているというケースを聞いたことがありません(むしろ母子登校を拒否されたというケースは何度も聞いたことがあります)。

よって、同州での不登校の定義は

  • 学校に全く行かない子ども
  • 一部のクラスを登校拒否する子ども
  • 高校中退者(経済的な理由を除く)

これら三点のみになります。

しかし、日本とカリフォルニア州の一番の大きな違いは、実は、同州では不登校は許されていない点です。子どもが不登校になり始めると学校がすぐに介入を始め、ほとんどの場合、心理カウンセラーが子どもに心理カウンセリングを提供し、不登校をすぐに解決しようとします。これらの介入に親が協力的でない場合や、親の努力が見られない場合、裁判所が関わってくることもあります。実際、過去に私が担当した不登校の子どもの親が罰金を裁判所から命じられたケースもあるほど、不登校をさせないようにしています。

このように、不登校を許さないカリフォルニア州のシステムは実は素晴らしいものです。なぜなら、不登校は心の専門家などの介入が無い限り解決するような問題ではないからです。しかし、残念ながら日本の場合、心の専門家が介入するどころか、放っておくという対処が大変多く見受けられます。

不登校に対するよくある日本人の考え
  • 「不登校でも幸せ」
  • 「不登校も一つの生き方」
  • 「ただの反抗期」
  • 「放って置けばいずれ行く」
  • 「いずれなんとかなる」
  • 「無理して行かせなくていい」

これら全て、私が20年以上前に不登校だった際に聞かされたり、不登校児の親御さんから聞かされたりした言葉です。残念ながら、これらの考え方は全て、子どものためにはなっていません。以下に、それぞれ理由を説明致しました。

「不登校でも幸せ」「不登校も一つの生き方」

この考えが子どものためになっていない理由はただ一つ。今も昔も、社会で生きていくためには学歴が重要であることは変わっていませんし、今後も激変することはないでしょう。高校を出ていなければ社会で生きていくことは非常に難しいのです。不登校でも幸せなのは一時的なもので、大人の年齢に達し自立しなくてはいけないときに、学歴なしではそれが非常に難しくなってしまいます。不登校を一つの生き方と捉えることも同じです。

「ただの反抗期」

不登校はただの反抗期だと勘違いされる方もよくいらっしゃいます。反抗期とは自立するために必要な期間であり、自分探しをするのは年齢的に自然なことです。しかし、「反抗期」と「反抗的な態度」には大きな差があります。反抗的な態度とは不登校も含めて社会的にも家庭的にもやるべきことをやらなかったり、ルールを守らなかったりということを指します。これは放っておいて改善されるものではなく、これもまた一つの心の病の可能性があります。

「放って置けばいずれ行く」「いずれなんとかなる」「無理して行かせなくていい」

不登校とは、確かにいずれ何とかなる問題ではあります。しかし、それは心の専門家の介入があってこそ言えることです。無理して行かせなくてもいいというのも、確かに心の病の種類によっては、いきなり全授業受けさせない方が良いこともあります。だからといって、完璧に全て休ませたからといって不登校が解決していくわけではありません。また、「放っておけばいずれ行く」ようになるわけではありません。不登校とは心の病が原因でなってしまうものであり、心の病を治していかなければ、不登校の解決は望めません。身体的な病気になれば治療を行うのは当然で、放っておいても治るものではないのと同じように、心の病も放置したからといって治っていくものではないのです。

ここまで読んで頂ければご理解頂けたかもしれません。そう、不登校というのは心の病が原因でなってしまうことなのです。

次回のコラムでは、この続きをお話したいと思います。

2021年 5月 19日更新

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Columnist's Profile

カリフォルニア州公認心理カウンセラー (Licensed Marriage and Family Therapist)荒川龍也(Tatsuya Arakawa Therapy)

富山生まれ、名古屋育ち。小学校高学年頃からいじめなどが原因で心の病を患う。中学時には教師からの体罰に苦しみ、いじめが原因で不登校に。16歳で高校中退。2年間のカウンセリングを受けた後、夜間高校に入学。老人ホームでのボランティアで人の話を聞くことで聞く事の喜びを学ぶ。すぐに学校を辞めてしまう生徒が多い夜間高校で、話を聞くことにより下級生の高校中退を何度も防ぐことができ、話を聞くことの力を知る。この頃アメリカに短期留学し、魅了される。愛知県の大学院教授にアメリカは日本より100年心理学が進んでいるといわれ、心理カウンセラーを目指して渡米。カリフォルニア州立フラトン校大学院カウンセリング専攻卒業。大学院卒業後、3000時間のインターン時間を終え、国家試験を二つ合格し、現在のカリフォルニア州公認心理カウンセラーの資格を取得。子どもとその家族、重度の精神障害者とその家族、薬物中毒のクライアント等、多岐にわたり経験を積む。現在はトーランスで開業し、カウンセリングを提供。専門は、子どもとその家族、不安とうつ病。

Tatsuya Arakawa Therapy

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