专栏

アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

2016年 5月 2日更新

第11次 : アメリカに短期で頻繁に出入りする場合のビザに関して

Q

現在、日本でアパレル雑貨のショップを5店舗経営しています。商品の仕入れはアメリカから行い、日本で販売していますが、アメリカの取引先との商談のため、ほぼ毎月渡米しています。観光ということで入国していますが、先回の入国の際に止められ、入国はできたものの、頻繁に出入りしているため、次回からはビザを取るように言われました。アメリカに会社を設立すれば、駐在員ビザを取得できるという話は聞きましたが、今のところ、そこまでの経費を使う必要性もなく、また取引先がアメリカの多くの州にまたがっているので実用性もありません。何か良い方法はありませんか。

A

ESTA登録を行いビザ・ウエイバーで入国する場合、基本的に観光目的のために使用されるほか、アメリカで給与を得ないことを条件として、短期の商用に用いることもできます。しかし、特にアメリカは、たとえ雇用されていなくても、ビザ・ウエイバーで頻繁に入国するには適していません。従ってあなたの場合は、B-1ビザを取得することをお勧めします。

B-1ビザは、日本の米国大使館または領事館で、書式DS-160にて申請することができ、H-1ビザのように、日本の米国大使館・領事館申請前に、米国移民局から認可を得る必要はありません。B-1ビザで米国内において雇用関係に基づく就労に従事することは禁じられていますが、商談や契約を結ぶこと、また商品の買い付け、市場調、コンファレンスの参加、訴訟手続き等を行うことができます。

B-1ビザ取得の条件
  1. 申請者がアメリカ国内で一定の限られた期間のみ滞在すること。
  2. 滞在期間終了後、アメリカを離れる意志があること。
  3. アメリカ滞在期間中、母国での居住地を維持し、それを放棄する意志のないこと。
  4. アメリカへの旅費、滞在費および母国への帰国のための費用が充分に準備されていること。
  5. アメリカ国内で該当事業に合理的に関連した活動のみを行うこと。

上記の内容は、会社からの手紙で説明されるのが一般的です。ただし申請者の会社が小規模の場合は、大企業に比べて上記の内容のより詳細な説明を要します。

B-1は、一般的には10年間(例外あり)のビザが発行されます。またビザ・ウエイバーが最高90日までの滞在資格であるのに対して、一回の入国に対して6か月までの滞在資格が与えられるのが通常です(場合によってはそれ以下の場合もあります)。しかしB-1では、アメリカでの長期滞在には適しておらず、少なくとも1年の半分以上は、アメリカ国外に滞在する必要があります。

ビザ・ウエイバーが延長やステータスの変更が出来ないのに対して、B-1の場合はそれがアメリカ国内において可能です。例えばアメリカでのビジネスが拡大し、国内に支店を持ち収入を得る必要が出てきたような場合、アメリカ国内でB-1からLあるいはE等の他のステータスに変更申請を行うことが可能です。

B-1の申請には、具体的かつ詳細なアメリカでの滞在計画が必要であり、また滞在期間終了後、アメリカを離れる意志があることの説明に関しては、例えば日本に家族がいるというだけでは、説得力を欠き、日本に経済的な強い関連があること(あなたの場合日本に会社があること)を説明した方が好ましいでしょう。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

2016年 5月 2日更新

今回の記事はいかがでしたか?
トピックとして書いてほしいご質問やリクエストを受け付けております。以下に直接ご連絡を頂ければ幸いです。

taki@takilawoffice.com

Columnist's Profile

CEO/Attorney
瀧 恵之瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

Newport Beach Office .. 1300 Quail Street, Suite 107, Newport Beach, CA 92660
Torrance Office .. 21221 S. Western Ave. Suite 215, Torrance, CA 90501
Los Angeles Office .. 3435 Wilshire Blvd. Suite 650, Los Angles, CA 90010

既刊号

BACK ISSUES
アメリカ移民法・ビザ申請の基礎
最新专栏
既刊号