Columna

アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

Actualizada en 2020/10/ 5

64 vez : コロナ禍でのE-2ビザ更新。日本に帰国した方がよいの?

Q

私は、現在、E-2ビザでアメリカの日系企業に勤務しています。来月でビザの有効期限が切れてしまうのですが更新ができるのか心配です。というのも、特にコロナパンデミック以降、日本のアメリカ大使館での手続き方法にしても、さまざまな異なる情報が溢れていて、どのように進めればよいか困っています。最も懸念しているのは、日本にビザの更新に行った場合、アメリカにちゃんと戻って来られるかということです。これから私は、どのような対処・対応をすればよいでしょうか。

A

現在、日本のアメリカ大使館・領事館は、Eビザの申請受け付けを再開しています。ただ、あなたの場合は、ビザの有効期限だけではなく、I-94がいつまで有効であるかどうか、また、あなたが勤めている会社の日本のアメリカ大使館での会社登録がどのような状態にあるのかによって、今回の更新のために日本に行くべきか否かを判断する必要があります。以下、詳細について順を追って述べます。

まず、現在あなたの保持している I-94の有効期限がいつまであるかが最初の判断材料になります。I-94は、最後にアメリカに入国した日から2年間の期限があるのが一般的ですが、稀にあなたのパスポートの有効期限が入国時において半年未満の場合は、そのパスポートの有効期限になっている場合もあるので確認する必要があります。また、扶養家族のI-94の有効期限も(例えば、最後の入国日が異なるなど)、異なっている場合があるので注意が必要です。I-94が有効な限り、仮にビザの有効期限が切れたとしても、アメリカ国内において合法的に滞在・就労が可能なので、今すぐに日本にビザを取りに行くのが(以下に述べる理由、あるいはパンデミックの間に渡航したくないなどの理由で)賢明でないと判断する場合は、ビザの有効期限にかかわらず、日本のアメリカ大使館にビザの更新のために行くのを取り止め・延期する手段も考えられます。さらに、I-94の更新手続きは、移民局に申請を行うことによりアメリカ国内において可能です。

次に、考慮する必要があるのは、仮に、I-94が有効であった場合でも、あなたの会社のアメリカ大使館での会社登録がいつまで有効であるかということです。会社登録の有効期限は、一般的には、その会社の中に有効なE-2ビザを保持して就労している(定められた給与を受け取っている)人がいるか否かによって決まります。ただし、必ずしもこの法則通りでない場合もあるため、不確実な場合は、事前に日本のアメリカ大使館に問い合わせておくのも得策です。例えば、会社の中であなた以外にもE-2ビザを保持している人がいれば、その中のビザの有効期限の最も長い人の有効期限が、あなたの会社の会社登録の有効期限ということになります。従って、この場合は、あなたのビザが仮に切れたとしても、あなたの会社の会社登録は切れないということになります。つまり、あなたには、今、慌てて日本に更新申請に行くのではなく、(延長も含めた)I-94の有効期限内はアメリカに残り、コロナパンデミックが終息する時期を待つという選択肢も与えられていることになります。

しかし、もし、あなたの会社の中にほかにE-2ビザを保持している人がいない場合は、あなたのビザの有効期限があなたの会社の会社登録の有効期限ということになります。会社登録が有効な場合は、日本のアメリカ大使館は、簡潔な審査のみでビザの発行を行いますが、一旦、会社登録の有効期限が切れてしまった場合は、会社登録の手続き(申請)をやり直す必要が出てきます。これには、約2カ月間以上を要します。従って、この場合は、仮にあなたのI-94の有効期限がまだある場合でも、あなたの会社の会社登録を保持(更新)するには、日本のアメリカ大使館でビザの更新を行う必要があります。日本のアメリカ大使館・領事館は面接のアポイントメントを受け付け始めていますが、まず、このアポイントメントを希望する時期に取れるかどうかが問題です。もし、更新の場合は、あなたが日本に行く必要はあるものの、日本国内から郵送で申請を行うことができます。この手続きは、問題がなければ1週間ほどです。

ただし、郵送による申請を行った場合でも、大使館の判断により、面接に呼ばれる場合もあり得ます。この面接に呼ばれると、多くの場合、大使館が面接を通して直接確認を取りたい事情があることが多いので、充分な準備をして面接に臨むことが望ましいと言えます。

そこで、現在の時点で考慮すべき点は、仮に、会社登録の有効期限が切れてしまう場合であっても、コロナパンデミックの影響などにより、会社の業績が芳しくない場合は、今すぐに日本のアメリカ大使館に更新の申請を行うためにアメリカを離れるのではなく、あえて会社登録を一旦失効させて、 I-94の有効期限内でアメリカに滞在し、会社の業績が良くなった後に、時間と手間は掛かってしまうものの、会社登録の申請からやり直すという戦略も考えられます。ここでいう会社の業績とは、もちろん種々多様な判断要素はありますが、主には、総売上高、Eビザを保持していない従業員の数が重要な判断要素とされることが多いと言えます。

従って、あなたが、今、日本にE-2ビザの更新に行くか否かは、I-94の有効期限および会社登録の有効期限、加えて会社の業績など、それぞれの要素を考慮して判断する必要があります。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Actualizada en 2020/10/ 5

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Columnist's Profile

CEO/Attorney
瀧 恵之瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

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