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- 大手企業社員の方必読! RSU(自社株付与)の税金で「二重課税」を防ぐための確定申告ガイド
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米国公認会計士による、わかりやすい!会計・税金101
アメリカの生活ではつきものの、お金の話、会計や税金にまつわる基本情報や知っていると役に立つトピックスを選んでお届けします。
Vol.22 : 大手企業社員の方必読! RSU(自社株付与)の税金で「二重課税」を防ぐための確定申告ガイド
今回は、「RSU(Restricted Stock Units:譲渡制限付株式ユニット)」の課税タイミングと計算方法について解説します。
カリフォルニア州、特にロサンゼルスやシリコンバレー周辺のテック企業や上場企業で働く方にとって、RSUは給与パッケージの大きな割合を占めることがあります。株価が上がれば資産価値も増えますが、税金の仕組みを正しく理解していないと、すでに給与所得として課税された金額を、株式売却時にも売却益として申告してしまい、結果として税金を多く払い過ぎることがあります。
今回は、RSUの税務で特に重要となる「Cost Basis(取得費)」の確認と調整についてご説明します。
RSUには、税金が関係する主なタイミングが2回あります。
① Vesting(権利確定)時
株式を受け取る権利が確定すると、通常、その日の株式の時価が給与所得として課税され、Form W-2に含まれます。会社のプランによっては、給与税や所得税の源泉徴収に充てるため、権利確定した株式の一部が自動的に売却または差し引かれることがあります。これは一般に「Sell-to-Cover」または「Share Withholding」などと呼ばれます。
② Sale(売却)時
権利確定後に株式を売却すると、原則として、次の差額がキャピタルゲインまたはキャピタルロスとなります。
売却価格 - Vesting時に給与所得へ含まれた株式の時価(Cost Basis)
Vesting時の株価より高い価格で売却すればキャピタルゲイン、低い価格で売却すればキャピタルロスとなります。また、Vestingから売却までの保有期間が1年以内であれば短期、1年を超えていれば長期のキャピタルゲインまたはロスとして取り扱われるのが一般的です。
証券会社から送られてくる年間取引報告書(Form 1099-B)では、RSU株式のCost Basisが0ドル、空欄、または実際とは異なる金額で表示されることがあります。例えば、Vesting時に$50,000がすでに給与所得としてForm W-2に含まれていたにもかかわらず、Form 1099-B上のCost Basisが0ドルと表示されているケースがあります。この数字を確認せずに申告すると、実際にはVesting後の値上がり分だけを売却益として申告すべきところ、売却代金の大部分または全額をキャピタルゲインとして申告してしまう可能性があります。その結果、Vesting時に給与所得として課税された金額が、株式売却時にも実質的に課税される「二重課税のような状態」が生じます。これは制度上、本来二重に課税されるという意味ではなく、Cost Basisを正しく申告しなかったことによって税金を払い過ぎてしまう状態です。
税金の払い過ぎを防ぐためには、次の書類を照合し、正しいCost Basisを確認する必要があります。
- Form W-2
- Vesting明細
- 株式報酬の取引履歴
- 売却明細
- Form 1099-B
- 証券会社が発行するSupplemental Information
Form 1099-Bの取得費がIRSへ報告されていない場合は、通常、Form 8949に正しい取得費を記載します。一方、取得費がIRSへ報告されているものの、その金額が誤っている場合は、Form 8949の調整欄を使用して修正します。これにより、正しいキャピタルゲインまたはキャピタルロスを計算できます。証券会社によっては、Form 1099-Bとは別に「Supplemental Stock Plan Information」などの名称で、調整後のCost Basisが記載された資料を発行していることがあります。Form 1099-Bだけで判断せず、関連資料をすべて確認することが重要です。
カリフォルニア州居住者は、原則として全世界所得がカリフォルニア州所得税の対象となります。また、RSUのGrant(付与)からVestingまでの間に、カリフォルニア州と他州または米国外をまたいで勤務・転居した場合には、勤務期間などに基づいて、RSU所得のうちカリフォルニア州源泉所得となる部分を按分する必要が生じることがあります。
次のような方は、特に注意が必要です。
- RSUのGrant後にカリフォルニア州へ転居した方
- Vesting前にカリフォルニア州外へ転居した方
- 日本本社から米国法人へ赴任した方
- 米国勤務後に日本へ帰国した方
- 複数の州で勤務している方
- 退職後もRSUのVestingが続いている方
このようなケースでは、連邦申告だけでなく、各州の所得配分や日本の税務との調整が必要になる場合があります。
RSUがある方は、確定申告前に次の点をご確認ください。
- Vesting時の株数と株価
- Vesting時に給与所得へ含まれた金額
- Form W-2にRSU所得が含まれているか
- 源泉徴収のために差し引かれた株数
- 実際に受け取った株数
- 売却日と売却価格
- Form 1099-Bに記載されたCost Basis
- Supplemental Informationに記載された調整後のCost Basis
- GrantからVestingまでの勤務州および居住州
RSUの申告ミスは、IRSや州税務当局から通知を受けるまで気付かないこともあり、後から修正申告が必要になる場合があります。特に、複数回のVestingや売却がある場合、取引ごとに株数、Vesting時の時価、売却価格および保有期間を確認する必要があります。
テック業界の給与体系と株式報酬に精通した税務専門家へ相談し、Form W-2、Vesting明細、Form 1099-BおよびSupplemental Informationの内容を照合することが重要です。
Columnist's Profile

- CPA、米国公認会計士尾崎真由美(Todd's Accounting Services / 尾崎会計事務所)
法学修士、経営学修士、尾崎会計事務所代表、シアトル国際会計代表も兼務。長年にわたる経験と知識で個人のお客さまから法人のお客様まで、個々のニーズに合わせたサービスを提供してきた。個人向けタックスリターン、相続税、その他タックスプランニングはもちろん、法人向けサービスとして会社設立サポートやアウトソース、ブックキーピング、会計税務コンサルティング等、幅広いサービスを展開。親切、お客さまに満足していただけるサービスを提供する。
Todd's Accounting Services / 尾崎会計事務所
- TEL:
- 877-827-1040
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