Column

アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

Updated on 2015/11/ 2

Vol.5 : 特殊技能者ビザ(O-1)の条件に関して

Q

私は現在、学生ビザでアメリカに半年ほど滞在していますが、日本にいた頃は、音楽のプロデューサーをしていました。今度、知人の紹介でアメリカの会社で仕事をすることになったのですが、どのようなビザの可能性がありますか?また、私のアシスタントも日本から呼び寄せ、一緒に私の仕事のサポートをしてもらいたいと考えています。彼に適したビザはあるのでしょうか?

A

この場合、O-1ビザの可能性が考えられます。O-1ビザは高度の特殊技能者に与えられるビザです。ビザが認可されるか否かは、3つのカテゴリーに分けられ、それぞれのカテゴリーによって、審査基準が異なります。

カテゴリー1: 科学者、教育者、ビジネスマン、スポーツ選手

まず1つ目のカテゴリーは、科学者、教育者、ビジネスマン、およびスポーツ選手です。このカテゴリーは、O-1ビザの中で、最も厳格な審査が行われるカテゴリーであるとされています。審査をパスするには、以下の8つの条件の内、少なくとも3つを満たしている必要があります。

  1. 国際的に認められている賞を受賞したことがある。
  2. 入会するにあたり、厳しい条件を課されている会の会員であること。
  3. 知名度のある出版物、あるいはメディアにおいて取り上げられたことがある。
  4. 当該分野において、競技などの審査を担当したことがある。
  5. 当該分野において大きな功績を残したことがある。
  6. 専門雑誌、あるいは知名度のあるメディアにおいて記事を出したことがある。
  7. 知名度の極めて高い団体において仕事を行っているか、あるいは行った経験がある。
  8. 収入が著しく高い。
カテゴリー2: 芸術家および映画・テレビ関係以外の芸能人

2つ目のカテゴリーは、芸術家、および芸能人(ただし、映画、テレビ関係は除く)のカテゴリーで、これは前者のカテゴリーよりも審査基準は低いとされています。このカテゴリーでの審査をパスするには、以下の5つの条件の内、少なくとも3つを満たしている必要があります。

  1. 公の場において高い評価を受けた作品において、主な役割を果たした、あるいは果たす予定である。
  2. 新聞、専門雑誌等において大々的に取り上げられた、あるいは高い評価を得た。
  3. メディア等において著名な団体において主な役割を担った。
  4. 多大な業績を上げた記録がある。
  5. 著名な団体、評論家、政府機関、エキスパートより高い評価を受けた。
  6. カテゴリー3: 映画・テレビ関係タレント、制作関係者
カテゴリー3: 映画・テレビ関係タレント、制作関係者

そして3つ目のカテゴリーは、映画、あるいはテレビ関係のタレント、および制作関係者のカテゴリーで、このカテゴリーにおいては、上記の2つのカテゴリーのような具体的な条件の列挙はなく、通常以上の極めて高い評価を受けているとされているだけです。従って、このカテゴリーにおける審査は上記の2つのカテゴリーに比べて、広汎なものであると言えます。

ちなみにあなたの場合は、上記の「カテゴリー2:芸術家および映画・テレビ関係以外の芸能人」に属します。またO-1ビザは最初3年、その後1年間、あるいは、3年間の延長が認められています。3年間の延長を申請するには、米国に入国した後、新しいプロジェクトが出来たことを立証する必要があります。

アシスタントに適したO-2ビザとは

あなたがアシスタントを同行させたい場合、O-2ビザが適していると考えます。O-2ビザを取得するには、以下の条件が備わる必要があります。

  1. O-1ビザを取得する者のアシストのみを目的として米国に入国すること。
  2. 上記の仕事内容は、O-2申請者とO-1ビザ保持者との長期にわたる仕事上の関係故に、申請者がO-1ビザ保持者のアシストが重要不可欠であること。
  3. O-2申請者が、当該仕事の米国入国前の準備段階において携わっており、O-2申請者が継続してそれに従事する重要性があること。

なお、O-2ビザはO-1ビザ保持者の滞在期間と同じ期間が与えられます。またO-1ビザ保持者の配偶者にはO-3ビザが与えられます。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Updated on 2015/11/ 2

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Columnist's Profile

CEO/Attorney
瀧 恵之瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

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