前回の「第8回:日々の通勤に関する控除~前編~」に続き、「通勤マイレージ」に関してご説明致します。
2つのビジネスの場所を移動する際のマイレージは、常にビジネスマイルとなります。例えば、あなたのオフィスからクライアントとの会議のために運転している場合などはこれに当たります。
戦略1 ホームオフィスの控除の最大化
あなたがIRSのガイドラインに沿った主要オフィス(管理/経営オフィス)としてホームオフィスを設立した際に、あなたの家を主要ビジネス場所に変更します。これは家以外のオフィスへの通勤をビジネス場所間の移動とするものです。つまりこの移動した分をマイレージ控除とすることができます。
(例) あなたの家の中にある主要オフィスからダウンタウンにあるあなたのオフィスへ移動したとします。そこから新しいビジネス案を得るために同僚と一緒に昼食へ出かけたとします。この移動の全行程はビジネスマイレージとして控除可能です。
- 家からダウンタウンオフィス:ビジネスマイレージ
- オフィスからレストランの往復:ビジネスマイレージ
- ダウンタウンから家:ビジネスマイレージ
上記のように、マイル数の100%がビジネスマイレージとなります。これはあなたにとって利益となり減税できることを意味します。適切なホームオフィスを設立することは意外と簡単です。もしあなたが会社としてビジネスを運営している場合、ホームオフィスとしての資格を確認し、適切なステップを踏む必要があります。
戦略2 ホームオフィスではなく適切なビジネスの場所がある
ホームオフィスではなく、ダウンタウンにオフィスを持っているとします。この場合、家からダウンタウンオフィス、あなたの家と一時的に行く仕事場との間で運転した時など、あなたはその移動を控除できます。これをはっきりさせるため、以下の両基準に満たした場合、マイレージは控除となります。
- 1箇所またはそれ以上の適切なビジネスの場所を持っている。例えば、ダウンタウンオフィスなどがそれに当たります(ホームオフィスは不可)。
- 移動はあなたの家と一時的に行く仕事場との間とします。
(例) ビジネスの向上について学ぶため、または朝食で従業員と会うため家から運転したとします。そして、その後ダウンタウンオフィスに運転します。あなたの家からレストラン、オフィスへのマイレージはビジネスマイレージとなります。
戦略3 適切な仕事場を持たない場合の控除
もしあなたが家で仕事をしていても、IRSのガイドラインに沿った適切なホームオフィスを設立していない場合、またはダウンタウンのオフィスのように家以外の適切な仕事場を持ってない場合はどうなるのでしょうか。適切な仕事場を持たない場合、あなたが居住し仕事をしている大都市圏内外の一時的に行く仕事場に運転した場合のみ、家からの移動が控除できます。一般的に、大都市圏内とは、市内と郊外の隣接地までの地域となります。これが唯一、家と仕事場の間での移動で控除できる内容です。
(例) 家に主要オフィスがなく、また家以外の場所にもオフィスがないケースで、あなたが新しいビジネススキルを学ぶため、または同僚と会うため家から運転し帰ってきたとします。これは個人的で控除不可能な通勤となります。もちろんあなたの家に主要オフィスを設立すれば、ビジネスマイレージとして控除可能です。
- 控除できない活動
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以下のような状況で運転していても控除できません。
- 電話でクライアントと話しているとき。
- ビジネスオーディオブックを聴いているとき。
- あなたのビジネスに関する広告が描かれた車を運転しているとき。
家から仕事場までの移動で、控除が可能なのは上記の3つの戦略となります。
- 控除されるもの
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家から仕事場の間の移動は、確かにあなたの勤務時間内の一部です。しかしIRSはこれを私用時間と考え、ビジネスマイレージとして扱いません。
家から仕事場の間の移動を控除するために最も重要な戦略は、あなたの家の中に適切な主要オフィスを設立することです。これは決して難しくはありません。設立後は、家からその他の仕事場間の運転は控除可能なビジネスマイレージとなります。つまり、あなたの家の中にある主要オフィスからあなたの家以外のオフィスへの移動が控除として認められます。このオフィスとは、仕事のためのオフィスに限ります。
もし、ホームオフィスを設立できない場合は、以下の2つの選択肢のうち1つを選ぶことができます。
- あなたがビジネスにおける適切な場所を持っている場合(例えば家以外のオフィス)、距離に関係なく、あなたは家から一時的に行く仕事場の間の運転が控除できます。
- あなたがビジネスにおける適切な場所を持っていなくても、一時的に行く仕事場への移動を控除できます。しかし、その場所はあなたが住んでいて仕事をしている大都市圏外の地域であることが条件となります。
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