米国公認会計士による、わかりやすい!会計・税金101

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2022年 7月 18日更新

第5回 : 「ターボタックス」では教えてくれない節税例 ~前編~

今回は、「ターボタックス(Turbo Tax)のような汎用確定申告ソフトでは教えてくれない節税例を前編と後編に分けてご紹介します。

1. 夫婦別申告について

通常夫婦の場合 合算申告がメリットがあります。「ターボタックス」ですると必ず合算を勧めてきます。なぜなら、だいたいの場合は合算のほうが、夫婦別々で申告するよりも税金が安くなるからです。夫婦別申告は通常メリットがないと言われていますし実際そうでした。しかし2020年度確定申告については少し状況が違います。なぜなら失業保険が一定の金額まで非課税になり、3回のコロナ補助金が出ています。なので単純に夫婦別申告が悪いとは言えない場合があります。

2. 失業保険について

失業保険は2020年について、1万200ドルまで非課税になっています。ポイントは一人につき1万200ドルまで非課税ということです。収入は15万ドル以下である必要があります。そのため夫婦合算で収入が15万ドルに到達してしまうと、1万200ドルの失業保険非課税が使えないので、夫婦どちらかの収入が高くて合算して収入が高くなる場合は夫婦別に申告をする方がいいです。

3. コロナの補助金について

新型コロナウイルスの補助金を2020年に受け取れなかった人は、2020年の確定申告で還付申請できます。しかし収入が15万ドル以上の場合、この還付金が減額されます。そのため夫婦どちらかの収入が高くて限度額に到達する場合は、夫婦別に申告をする方がいいといえます。

この補助金については、第1回目、第2回目、第3回目についても同じことが言えます。どちらかの収入が高すぎる場合は、夫婦別に申告をする方が有利な場合があります。

4. 失ってしまう控除も考慮

夫婦別の申告をすることによって 失ってしまう控除があります。失ってしまう控除と得られるベネフィットを比較して、どちらが有利か考える必要があります。

5. チャイルドタックスクレジットについて(2021年のみ)

チャイルドタックスクレジットは、2018年から2020年、2022年から2025年は該当する子供1人につき2000ドルです該当する子供とは、17歳以下で納税者様の扶養家族(半年以上一緒に住んでいる、などの要件)になります。2021年に関しては、3000ドルを申請できます。もしも子どもが5歳以下であれば3600ドルもらえます。また18才以上の場合でも、$500ドルなどの少額のクレジットをもらます。年齢は12月31日の時点で考慮されます。

2022年 7月 18日更新

Columnist's Profile

会計士・CPA尾崎真由美(Todd's Accounting Services / 尾崎会計事務所)

ワシントン州会計士、法学修士、経営学修士、尾崎会計事務所代表、シアトル国際会計代表も兼務。長年にわたる経験と知識で個人のお客さまから法人のお客様まで、個々のニーズに合わせたサービスを提供してきた。個人向けタックスリターン、相続税、その他タックスプランニングはもちろん、法人向けサービスとして会社設立サポートやアウトソース、ブックキーピング、会計税務コンサルティング等、幅広いサービスを展開。親切、お客さまに満足していただけるサービスを提供する。

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