心療内科医
久賀谷 亮 TransHope Medical TEL: 424-247-9642

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「こうあるべき」

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被災地の「こころ」
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第94回 : 
「こうあるべき」

『こころにまつわるおはなし。』

「こころ」 をキーワードに、様々な話題を提供します。

2012年10月 8日更新

第12回 : 不確実性とつきあう — 不安克服法 —

アナウンスしていましたように、先日(9月28日)、「不安克服法」というタイトルで講演を致しました。幸い大変盛況で、「不安」というものへの関心の高さに改めて気づかされました。

「不安」について扱ううちに、不思議と気づいてくることがあります。「不安」にはある特徴的な性質があるということです。私が『不安君』と名付けるぐらい彼のキャラクターはユニークです。

1. あまのじゃくである。

犬が苦手で、逃げようとすれば逃げようとするほど、寄って来られた経験はありませんか?不安君は嫌われる人に特に寄っていく性質があります。不安を嫌い、それを取り除こう、取り除こうともがくほど、不安は強くなります。不安君はあまのじゃくなのです。では逆に不安君とはどうやったらうまくつきあえるでしょうか。そうです。嫌わずに、ウェルカムしてあげることです。ちょっとあまのじゃくだけど、友達として仲良くしてあげることです。そうすると結構悪いやつじゃありません。

2. 気分屋である。

彼は、予告もなくやってくることが多いです。前もって約束をしてくれて、来る時がわかっていれば心の準備もできそうですが、彼は決まって予測不能、つまり気分屋です。訳があって来ることもありますが、時に訳もなくあなたの家のドアを叩きます。でもこの気分屋であることが不安君が不安君である所以なのです。だって、いつ現れるか予測できたら、こちらも準備万端でいるので不安君本来の力を発揮できないですから。

3. 不安君は不安君を連れてくる。

不安君はどうやら彼と似たものグループでどこかに住んでいるらしい。1人の不安君がつきまとっている時、彼が次の不安君メンバーを連れてくることが多いのです。世間では、「不安が不安を呼ぶ」などと言われているようですが、そのように雪だるま式に不安君だらけになりやすいのです。そうかと思えば、ある不安君がいたのが、別の不安君が現れることで、最初の不安君は忘れ去られてしまうことがあります。2番目の不安君が特に大物で、不安君としての力を持っている場合、これは起きやすいようですね。相対的に最初の不安君は、さびしいかな、忘れ去られてしまいます。

4. あきっぽい。

彼は独特のペースをもっています。不安君のメンバーの中でも、「パニック」と呼ばれるグループに顕著にみられます。いきなり元気に立ち上がったかと思うと、そのまま活発に活動し、そのピークが続きます。ところが彼らはそこまで耐久力がないので、このピークは長続きしません。どこかで減速してくるのです。こっちとしては、あたかも永遠につきあわされるような気がしてうんざりしますが、不安君は結構あきっぽいのですね。この性質を知っていると、案外つきあいやすくなります。

5. 実態がばれることを嫌う。

不安君は、ミステリアスです。実態がぼんやりとしていて、隠されていることが多いです。そしてこちらから実態を暴こうとすることを嫌います。実態がバレると不安君の力が減弱してしまうからです。本当に正体は何なのでしょうね?逆に、不安君を良く知ることで実態が少し明らかになると、彼は結構おとなしくなります。

6. 不安君は生涯の友。

色々くせのあるやつですけれど、実は不安君は我々の生涯の友達です。彼がいなくなると困るといってもよいです。太古の昔は、不安君がいてくれたからこそ、迫り来るマンモスの脅威に戦うあるいは逃げることで自分を守れたからです。不安君を友達に持たない人は逆に、何が来ようがお構いなしで、自分を危険にさらしてしまうのです。不安君のおかげでもしもの時に備えられるわけですし、我々は必要な行動をとれるのです。

太古の昔と違って、我々現代人は、ちょっと込みいった不安君とつきあうことを要求されています。経済状況、健康状態、長寿、将来設計、インターネット、グローバライゼーション。不安君の大好きな不確実性というものがそこかしこにあります。情報量の少なかった太古の昔とはこの不確実性が違った意味で肩に重くのしかかってきます。今も昔も変わらない不確実性の代表格は、「死への恐怖」でしょうか。

「不確実性とうまくつきあう」 = 「不安君とうまくつきあう」術を持ちたいですね。

【不安とうまく付き合うヒント】
  1. 自分のコントロールできることのみにフォーカスする。
  2. What if? (こうなったらどうしよう)ではなく、So what? (そうなったからといって、だからどうなんだ)と考える習慣をもつ。
  3. Live in the moment. その瞬間、今日を充実させることに専念する。不安君メインの毎日は避けたいですね。
  4. Go with the flow. 不安君と戦うとだめです。彼の流れに身を委ねましょう。

さあ、不安君のエネルギーが抜き取られていくのが見えるようですね。

当クリニックでは、様々な不安(飛行機に乗る不安、健康への不安、将来への不安、パニック発作、漠然とした不安など)を、様々な方法で克服していくお力添えをしています。その方法は、不安対処の基本技術から、呼吸法/リラクゼーション法などの指導、特定のものに対する不安(恐怖)へのImagery desensitization, Systematic desensitization など専門的なスキルの習得、認知行動療法と呼ばれる画期的で効果のあるカウンセリング、必要に応じたお薬の処方、ライフスタイルアドバイス、コーチングなどです。不安君との新たなつき合い方をマスターしたい方はご相談下さい。

2012年10月 8日更新

くがやこころとからだのクリニックでは、
「こころ」 にまつわる様々なご相談や、こころの健康チェック、ケアを提供しています。

▼ドクター久賀谷による「マインドフルネスx脳科学」ホームページを開設しました!

https://www.beinamoment.org

ドクター久賀谷によるマインドフルネス 著書・旅企画・コーチングをまとめて紹介。クリニックと合わせてよろしくお願いします!

▼「患者さまの声」ページ 随時更新中!

https://thmedical.org/diagnosis/testimonials/

クリニックホームページ内で診療を受けられた方の動画・音声、そして寄せられたお手紙などをご覧いただけます。
診療セミナーやマインドフルネス・TMS治療に関する患者さまの声。

▼心療内科専門医による各種プログラム
不安/パニック より早い改善をカウンセリングとお薬またはTMS治療を必要に応じて組み合わせることで実現
うつ
そううつ
睡眠改善
ADHD
OCD
慢性痛
マインドフルネス認知療法
認知行動療法カウンセリング
こころとからだ・プログラム → ストレスによる身体の症状の緩和
トラウマ治療 (EMDR)
禁煙プログラム
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体重マネージメント
こころの健康相談

※ 当クリニックでは、カウンセリングのみも可能です。

Columnist's Profile

心療内科医久賀谷 亮(TransHope Medical)

イェール大学医学部神経精神科卒。日米医師免許。趣味 : トライアスロン。TransHope Medical / くがやこころとからだのクリニック院長。「TransHope」 は、Transglobally (国境を越えて)、Transculturally (文化を超えて) に、Hopeを手渡していくことを意味します。

眠れない、疲れやすい、集中できない、気分が晴れない、ストレスによるこころとからだの反応、ライフスタイル改善(体重、仕事パフォーマンス、喫煙)、うつ、パニック、ADHDなどに医学的診察とケアを提供します。

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